ネオジャパンは24年1月期減益予想だが、配当は連続増配で自己株式取得も発表

(決算速報)
ネオジャパン<3921>(東証プライム)は3月13日の取引時間終了後に23年1月期連結業績を発表した。クラウドサービスが牽引して増収だが、認知度向上に向けた広告宣伝費増加などの影響で小幅減益だった。前回予想に対しては、売上高、利益とも上回って着地した。そして24年1月期も売上面はクラウドサービスが牽引するが、広告宣伝費や人件費の増加などの影響で減益予想としている。ただし23年1月期と同様に上振れの可能性がありそうだ。なお株主還元の面では、株主優待制度を廃止するが配当は連続増配予想で、自己株式取得(上限10万株・1億円)も発表した。株価は22年10月の昨年来安値に接近して軟調だがほぼ底値圏だろう。増配や自己株式取得を評価して出直りを期待したい。

■23年1月期小幅減益着地、24年1月期減益だが連続増配予想

23年1月期連結業績(収益認識会計基準適用だが損益への影響軽微、22年9月14日付で下方修正)は、売上高が22年1月期比1.5%増の60億07百万円、営業利益が0.5%減の12億41百万円、経常利益が1.9%減の13億35百万円、親会社株主帰属当期純利益が6.2%減の8億12百万円だった。配当(22年6月10日付で期末3円上方修正、22年12月13日付で期末創立30周年記念配当1円上方修正)は、22年1月期比6円増配の20円(期末一括=普通配当19円+記念配当1円)とした。配当性向は36.7%となる。

前期比では、クラウドサービスが牽引して増収だが、認知度向上に向けた広告宣伝費増加など先行投資の影響により小幅減益で着地した。前回予想(売上高59億89百万円、営業利益10億94百万円、経常利益11億82百万円、親会社株主帰属当期純利益7億82百万円)に対しては、売上高、利益とも上回って着地した。なお収益認識会計基準適用の影響額として、従来方法に比べて売上高は4百万円増加、売上原価は1百万円減少、営業利益、経常利益および税金等調整前四半期純利益はそれぞれ5百万円増加している。

ソフトウェア事業は売上高が7.3%増の42億12百万円、セグメント利益(調整前営業利益)が5.5%増の12億29百万円だった。売上面はクラウドサービスの利用ユーザー数が順調に増加し、利益面は研究開発費が増加したが増収効果で吸収した。

クラウドサービスの売上高は12.1%増の27億02百万円だった。グループウェアdesknet‘s NEOクラウドが11.7%増の22億36百万円、ノーコード業務アプリ作成ツールAppSuiteクラウドが45.8%増の1億34百万円、ビジネスチャットChatLuckクラウドが6.8%増の66百万円、その他月額売上が1.0%増の1億97百万円、その他役務作業等が13.0%増の67百万円と順調に拡大した。

プロダクトの売上高は0.8%減の14億35百万円だった。サポートサービスが12.0%増の8億01百万円、その他役務作業等が17.5%増の2億28百万円と順調だったが、ライセンス売上合計が9.9%減の3億33百万円、カスタマイズが56.7%減の73百万円と減少した。技術開発の売上高は従来からの継続案件が堅調に推移して9.5%増の73百万円だった。

システム開発サービス事業(子会社Pro-SPIRE)は、主要顧客の体制縮小の影響で売上高が10.3%減の18億15百万円となり、販管費の増加も影響してセグメント利益が25.8%減の94百万円だった。海外事業はコロナ禍による営業活動制約などで売上高が61.0%減の9百万円、セグメント利益が82百万円の赤字(22年1月期は45百万円の赤字)だった。

四半期別に見ると、第1四半期は売上高が14億96百万円で営業利益が3億09百万円、第2四半期は売上高が14億40百万円で営業利益が3億01百万円、第3四半期は売上高が15億26百万円で営業利益が3億50百万円、第4四半期は売上高が15億45百万円で営業利益が2億81百万円だった。

24年1月期の連結業績予想は、売上高が23年1月期比5.9%増の63億59百万円、営業利益が24.4%減の9億37百万円、経常利益が28.8%減の9億51百万円、そして親会社株主帰属当期純利益が22.6%減の6億29百万円としている。配当予想は23年1月期比3円増配の23円(期末一括)としている。株主優待制度廃止に伴う株主優待制度のコスト見合い1円50銭に、1円50銭を加えて合計3円増配とした。なお23年1月期の20円には創立30周年記念配当1円が含まれているため、普通配当ベースでは4円増配となる。予想配当性向は54.5%となる。

売上面はクラウドサービスが牽引して増収だが、利益面は認知度向上に向けてTVCMなどの広告宣伝投資を継続するため広告宣伝費が増加し、従来以上の賃上げに伴う人件費増加なども影響して減益予想としている。ただし23年1月期と同様に上振れの可能性がありそうだ。

なお広告宣伝費については26年1月期まで24年1月期と同水準の投資を継続するが、業績面は24年1月期をボトムとして、認知度向上効果などで26年1月期の売上高78億75百万円、営業利益16億95百万円を中期業績目標として計画している。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。

■株価は底値圏

23年3月13日付で自己株式取得を発表した。上限10万株・1億円で取得期間は23年3月14日~23年5月31日としている。

株価は22年10月の昨年来安値に接近して軟調だがほぼ底値圏だろう。増配や自己株式取得を評価して出直りを期待したい。3月13日の終値は939円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS42円20銭で算出)は約22倍、今期予想配当利回り(会社予想の23円で算出)は約2.4%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS383円36銭で算出)は約2.4倍、そして時価総額は約140億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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