インフォマート、FAX発注をデジタル化する新機能「発注書AI-OCR(invox)」の提供を開始

■Deepworkと協業し、食品卸業界の受注業務デジタル化・DXを支援

 国内最大級のフード業界向けプラットフォームを運営するインフォマート<2492>(東証プライム)は、経理業務を自動化するクラウドサービス「invoxシリーズ」を開発・運営するDeepworkと協業し、紙やFAX、PDF等バラバラなフォーマットで受領する発注書をデータ化する新機能「発注書AI-OCR(invox)」を3月15日にリリースしたと発表。

 卸企業では、大企業やDXが進んでいる取引先との受発注業務はデジタル化できているものの、個店等の小規模企業や基幹システムから発注書が自動送信される取引先とのやり取りは未だ紙やFAX等のアナログで行われており、データ化できていない現状がある。

■卸企業の受注方法の割合

 発注書は、FAX・メール・LINE・取引先指定の専用システム等、取引先ごとに異なる方法で送られており、取引先の中には、デジタル化のハードルが高く、従来の紙やFAX等のアナログの方が”使いやすい”という声が多い状況。

 また、受注側である卸企業が行う基幹システムへの入力作業は煩雑で、伝票発行のための発注書の印刷、スキャン作業に労力がかかり、さらに入力間違いや漏れ等による納品ミスも多く発生している。

 昨今、電子帳簿保存法・インボイス制度等の法令対応のため、デジタル化による企業の業務効率化が急務となっている。また、働き方改革関連法の施行により、2024年4月1日から「自動車運転業務における時間外労働時間の上限規制」が適用される事になった。

 そのため、上記の法改正への対応、業界の慢性的な人手不足や長時間労働に対する働き方改革への対策が必要になっている。

 そこで今回、食品卸業界の課題を解決すべく、発注情報をデータ化する新機能「発注書AI-OCR(invox)」をリリースした。

【「発注書AI-OCR(invox)」について(※1)】

 FAXやメール(PDF)で受け取った発注書をDeepworkの「発注書AI-OCR(invox)」がAI-OCRでデータ化し、同社の「BtoBプラットフォーム 受発注ライト」に自動で連携する。その受注データを「BtoBプラットフォーム 受発注ライト」から基幹システムに取り込むことで、全ての受注をデータ化し、入力作業を削減することができる。

 (※1)「発注書AI-OCR(invox)」は「BtoBプラットフォーム 受発注ライト」の有料オプション機能。
 利用の際は「BtoBプラットフォーム 受発注ライト」のIDが必要になる。

【「発注書AI-OCR(invox)」で得られるメリット】

 得意先ごとに書式の異なる発注書をデータ化かつ商品特定が可能。
 AIが学習していくため、読み取り精度が日々向上。
 データ化された発注情報を基幹システムへ取り込むことで、入力作業を削減。

【花王プロフェッショナル・サービス株式会社との検証テスト】

 花王の業務用品や衛生管理サービスを事業者向けに提供する花王プロフェッショナル・サービスでは取引案件にかかる1日1400枚に及ぶFAXの受注処理に課題を抱えていた。

 手作業での入力という非効率な業務に悩む中、2017年に中小企業庁が公募・実施した受発注データを企業間で通信する実証事業(共通EDI連携)に参加し、「BtoBプラットフォーム 受発注ライト」による自動化に取り組んだ。

 そのような中、得意先の中には基幹システムから出力される発注書や、InterFAX(インターネットFAX)から自動で送信される発注書でやり取りをしているため、花王プロフェッショナル・サービスの自動化の取り組みに参加しない、またはできない企業もあり、電子化率向上の課題となっていた。

 これらの企業は、自社の仕組みで発注数量を算出しFAX発注まで完結しているため、参加が難しい現状がある。発注書の電子化ができない得意先からの受注処理は人的に対応するため、ミスや間違いも発生し、人間の力で正確に業務を遂行するには限界も感じていた。

 このことから、「BtoBプラットフォーム 受発注ライト」に参加しにくい状況にある企業の発注書のアナログからデータへ変換する「発注書AI-OCR(invox)」の検証テストが実現した。

【検証テストの内容について】

 テスト対象の得意先として、基幹システムから印刷し発注書をFAX送信している10社を選定。
得意先の書式で作成された発注書、花王プロフェッショナル・サービスが作成した発注書3種類(10明細、25明細、50明細)の読み取りテストを実施。
 対象10社から受け取るFAX発注書の枚数を月間約3000枚と想定し、「発注書AI-OCR(invox)」でデータ化。
 「BtoBプラットフォーム 受発注ライト」にて、対象となる取引先マスタ情報と発注マスタ情報、納品場所情報をメンテナンスし「発注書AI-OCR(invox)」へマスタ連携。
 データ化されたFAX発注書の情報は「BtoBプラットフォーム 受発注ライト」のマスタを参照して自動で補正。その結果をAIが学習し日々精度向上を図る。補正されたデータは「BtoBプラットフォーム 受発注ライト」、基幹システムに取り込む。
 FAX発注書は手作業でアップロードし「発注書AI-OCR(invox)」へのデータの取り込みを実施しているが、読み取りの精度が高く運用上に問題がなければ、FAXサーバーを通した「発注書AI-OCR(invox)」への自動転送に切り替え。

■発注書AI-OCR(invox)明細情報の取り込み画面

 「発注書AI-OCR(invox)」に取り込んだ発注書(左)は、「BtoBプラットフォーム 受発注ライト」に設定されている発注マスタ(得意先別マスタ情報)を参照して、該当商品を候補が反映(右)される。

【検証テストの結果と今後】

 読み取り精度が向上し問題もなかったため、「BtoBプラットフォーム 受発注ライト」から基幹システムへデータ連携を実施。これにより、今まで行っていた手作業の入力業務が解消し、修正作業もなくデータ化が実現。
 将来的には画面確認作業も省いた自動処理に切り替えていきたいと考えている。
 花王プロフェッショナル・サービスでは、今回の検証テストで成果が得られたため、他の得意先にも展開予定。

【「発注書AI-OCR(invox)」で目指す“受注業務のデジタル化”】

 アナログで行われていたFAX発注書の入力作業をAIで自動化することを目指している。卸企業にとって、人材不足やコスト上昇で業務効率化が益々求められる中、今後も同機能を通じて基幹業務である受注業務をデジタル化することで、効率化、属人化の解消を支援していく。

【無料トライアルキャンペーン実施中!(※2)】

 新機能のリリースを記念して、無料トライアルを受け付け中。詳細は以下から。
(※2)同キャンペーンは予告なく終了する場合がある。
(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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