京写は23年3月期利益を下方修正して最終赤字予想、特別損失は一時的要因のため24年3月期収益拡大期待

(業績修正速報)
京写<6837>(東証スタンダード)は3月17日の取引時間終了後に23年3月期連結業績・配当予想修正を発表した。売上高は前回予想を上回るが、原材料・エネルギーコスト上昇の影響で営業・経常利益を下方修正し、それぞれ増益幅が縮小する見込みとした。さらに京写香港の取引先に対する債権取立または不能のおそれが生じたため、特別損失を計上して当期純利益は赤字予想とした。これに伴って配当予想も下方修正した。なお当該取引先からの仕入製品についてはベトナム工場や国内工場への生産移管を完了しているため、業績への影響は一時的としている。24年3月期はベトナム工場の稼働率上昇も寄与して収益拡大が期待できるだろう。株価は22年12月の昨年来安値圏から反発して底打ち感を強めている。目先的には利益・配当予想下方修正を嫌気する可能性があるが下値限定的だろう。

■23年3月期利益・配当予想を下方修正、特別損失は一時的要因

23年3月期の連結業績予想については、3月17日に売上高を10億円上方、営業利益を80百万円下方、経常利益を30百万円下方、親会社株主帰属当期純利益を9億円下方修正し、売上高が22年3月期比12.5%増の240億円、営業利益が29.7%増の6億20百万円、経常利益が17.0%増の6億円、そして親会社株主帰属当期純利益が5億40百万円の赤字(22年3月期は2億89百万円の黒字)とした。配当予想は3月17日付で前回予想から3円下方修正し、22年3月期比2円減配の3円(期末一括)とした。

売上高は海外での販売増や円安の影響で前回予想を上回るが、利益面は原材料・エネルギーコスト上昇の影響で営業・経常利益を下方修正し、それぞれ増益幅が前回予想に比べて縮小する見込みとした。さらに海外子会社である京写香港において、取引先(京写香港の生産協力会社、法的整理などの事実は発生していない)に対する債権取立または不能のおそれが生じたため、特別損失8億37百万円を計上して当期純利益は赤字予想とした。これに伴って配当予想も下方修正した。

なお当該取引先からの仕入製品(主に自動車向けの両面・多層プリント配線板)については、すでにベトナム工場や国内工場への生産移管を完了しているため、業績への影響は一時的としている。24年3月期はベトナム工場の稼働率上昇も寄与して収益拡大が期待できるだろう。

■株価は下値限定的

株価は22年12月の昨年来安値圏から反発して底打ち感を強めている。目先的には利益・配当予想下方修正を嫌気する可能性があるが下値限定的だろう。3月17日の終値は296円、今期予想配当利回り(会社予想の3円で算出)は約1.0%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS501円72銭で算出)は約0.6倍、そして時価総額は約43億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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