ヤマシタヘルスケアホールディングスは23年5月期営業・経常利益を上方修正して2桁営業・経常増益予想

(決算速報)
ヤマシタヘルスケアホールディングス<9265>(東証スタンダード)は、3月31日の取引時間終了後に23年5月期第3四半期累計連結業績を発表した。検査・手術件数の回復に伴う診察材料の売上増加などにより増収、営業・経常増益で着地した。そして通期予想の売上高、営業・経常利益を上方修正し、従来の減益予想から一転して2桁営業・経常増益予想(当期純利益は特別損失計上で下方修正して大幅減益予想)とした。積極的な事業展開で収益拡大基調を期待したい。株価は順調に水準を切り上げて年初来高値圏だ。営業・経常利益上方修正を評価して上値を試す展開を期待したい。

■23年5月期3Q累計営業・経常増益、通期営業・経常利益上方修正

23年5月期第3四半期累計の連結業績は売上高が前年同期比2.7%増の417億25百万円、営業利益が5.0%増の8億95百万円、経常利益が3.2%増の9億36百万円、親会社株主帰属四半期純利益が99.8%減の1百万円だった。

コロナ対策補助金による医療機関の設備投資需要が減少したが、新型コロナ感染拡大で減少していた検査・手術件数の回復に伴って診察材料の売上が回復・増加し、新型コロナ検査薬やPPE(個人防護服)の消費も継続した。増収効果で営業・経常増益で着地した。親会社株主帰属四半期純利益は減益だった。22年11月に公表した取引先のジェミックに対する債権の全額6億11百万円を取立不能見込額として貸倒引当金を設定し、同額を特別損失の貸倒引当金繰入額として計上している。

医療機器販売業は、売上高が2.8%増の416億13百万円で、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が4.5%増の15億74百万円だった。売上高の内訳は、一般機器分野が14.1%減の53億89百万円、一般消耗品分野が3.0%増の178億27百万円、低侵襲治療分野が9.1%増の99億92百万円、専門分野が9.7%増の75億33百万円、情報・サービス分野が0.9%減の8億69百万円だった。

医療機器製造・販売業は売上高が1.1%減の2億11百万円で利益が12.2%減の10百万円だった。医療モール事業は売上高が2.4%減の50百万円で利益が0百万円(前年同期は7百万円の赤字)だった。

なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が134億71百万円で営業利益が2億59百万円、第2四半期は売上高が141億90百万円で営業利益が3億39百万円、第3四半期は売上高が140億64百万円で営業利益が2億97百万円だった。

通期連結業績予想は、3月31日付で売上高、営業利益、経常利益をそれぞれ上方修正、親会社株主帰属当期純利益を下方修正して、売上高が22年5月期比0.9%増の556億51百万円、営業利益が12.8%増の10億49百万円、経常利益が10.0%増の11億03百万円、親会社株主帰属当期純利益が71.4%減の1億98百万円とした。配当予想は据え置いて22年5月期比36円減配の46円(期末一括)としている。

前回予想に対して売上高を25億34百万円、営業利益を5億24百万円、経常利益を5億37百万円、それぞれ上方修正した。コロナ対策補助金による医療機関の設備投資需要は減少しているものの、想定を上回る見込みとなった。新型コロナ感染拡大で減少していた検査・手術件数の回復に伴って診察材料の売上が回復・増加していることや、新型コロナ検査薬やPPE(個人防護服)の消費が継続していることも寄与する。そして従来の減益予想から一転して2桁営業・経常増益予想とした。なお親会社株主帰属当期純利益については特別損失に貸倒引当金繰入額を計上したため、1億96百万円下方修正して大幅減益予想とした。

修正後の通期予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高75.0%、営業利益が85.3%、経常利益が84.9%なる。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。

■株価は上値試す

株価は順調に水準を切り上げて年初来高値圏だ。営業・経常利益上方修正を評価して上値を試す展開を期待したい。3月31日の終値は1911円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS77円95銭で算出)は約25倍、今期予想配当利回り(会社予想の46円で算出)は約2.4%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS3126円18銭で算出)は約0.6倍、そして時価総額は約49億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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