【業績でみる株価】グンゼの第1四半期は進捗率高く通期上振れ期待

業績でみる株価

■年初来高値更新だが上場来高値に対し3合目

<足元の業績>
紳士肌着のトップメーカーのグンゼ<3002>(東1・売買単位1000株)の第1四半期決算は売上高334億400万円(前年同期比3.6%増)、営業利益11億6900万円(同27.5%増)、経常利益14億6100万円(同40.6%増)、純利益8億8700万円(同57.0%増)と増収大幅増益となった。今期通期に対する進捗率は売上高23.4%、営業利益33.4%、経常利益44.3%、純利益42.2%。中でも注目すべきは経常利益と純利益がともに4割を超している点だ。会社側は現時点では今期通期の業績見通しを変えていない。

<注目セクター>
同社は最近、非繊維製品の拡大に注力している。その中心OA市場向けエンジニアリングプラスチックが好調なほか、産業用フッ素樹脂製品の拡販が軌道に乗ってきた。さらに電子部品のパソコン向け透過型静電容量方式タッチパネルが伸長中だ。これを受けてちなみに非繊維製品を主体とした機能ソリューション事業は売上高137億700万円(前年同期比6.2%増)、営業利益10億9400万円(同28.3%増)と絶好調だった。

<今期&今後の展望>
2016年3月期通期は第2四半期以降も非繊維製品拡大を背景にして売上高1430億円(前期比1.3%増)、営業利益35億円(同13.5%増)、経常利益33億円(同33.1%減)、純利益21億円(同34.7%減)を見込んでいる。

<株価の位置&判断>
株価は第1四半期決算の好調を材料にして買い進まれた結果、18日は394円と年初来高値を更新。2011年2月の高値386円を約4年6か月ぶりに抜いた。その後も利食い売りをこなして、連日で高値を更新。400円台乗せ目前に迫っている。好業績に加えて、同社のPBRは0.64倍と、繊維製品平均の0.9倍に比べて低いことから、安心して買えることも手掛かりとなっているようだ。

400円台に乗せれば2009年1010月以来、ほぼ5年ぶりとなる。上場来高値1490(1989年)に対しては現在、約3合目水準である。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■更新前のスーパーコンピュータの約4倍の計算能力  富士通<6702>(東証プライム)は2月21日…
  2. ■両社の資源を有効活用しSDGsに貢献  伊藤忠商事<8001>(東証プライム)グループのファミリ…
  3. ■純正ミラーと一体化し、左後方の視界を広げる  カーメイト<7297>(東証スタンダード)は、純正…
2024年3月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

ピックアップ記事

  1. ■投資と貯蓄の狭間で・・・  岸田内閣の「資産所得倍増プラン」は、「貯蓄から投資へ」の流れを目指し…
  2. ■「ノルム(社会規範)」解凍の序章か?植田新総裁の金融政策正常化  日本銀行の黒田東彦前総裁が、手…
  3. ■「日経半導体株指数」スタート  3月25日から「日経半導体株指数」の集計・公表がスタートする。東…
  4. ■投資家注目の適正株価発見ツール  日銀の価格発見機能が不全になる可能性がある中、自己株式取得が新…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る