【株式評論家の視点】インフォコムは医療向け「iRad」で業界トップ、2ケタ増益、PER12倍

株式評論家の視点

インフォコム<4348>(JQS)は、商社系情報子会社とメーカー系情報子会社が合併して誕生した会社で、双方の豊富な業務ノウハウを強みに、一般消費者向けネットビジネスと(BtoC)と企業向けITサービス(BtoB)の両方を展開している。

医療向けには放射線科の電子化を実現する業界トップクラスの販売実績を誇る「iRad」をはじめ、幅広い分野でサービスを提供しているほか、外資系製品が席巻していた時代に日本の商習慣に最も適した完全Web対応ERPの「GRANDITR」を提供。 消費者向けでは日本で初めて着信メロディのサービスに着手したり、2006年にいち早く配信開始した電子書籍配信サービス「めちゃコミック」などを提供している。

同社は中期経営計画(2012年2月6日公表)の基本方針である、「環境変化 へのスピーディな対応による”進化”」、「重点事業領域の業容拡大に向けた”進化”」、「”進化”を支える事業基盤の継続 的強化」の下、重点事業と位置付けるネットビジネス事業、ヘルスケア事業、GRANDIT事業を中心に、競争力の強化と業容の拡大に取り組んでいる。

今2016年3月期・第1四半期業績実績は、売上高が86億8800万円(前年同期比6.0%増)、営業損益が1億5400万円の黒字(同2億2600万円の赤字)、経常利益が1億7300万円の黒字(同2億1600万円の赤字)、最終損益8600万円の黒字(同2億4900万円の赤字)に着地。

通期業績予想は、売上高が430億円(前期比6.7%増)、営業利益が42億円(同16.5%増)、経常利益が42億円(同13.7%増)、純利益が26億円(同19.7%増)と連続最高純利益更新を見込んでいる。年間配当は期末一括20円(同1.5円増)を予定している。

株価は、6月4日に年初来高値1390円と買われた後、7月9日安値1110円まで調整を挟んで7月21日高値1320円と上昇。その後、8月13日安値1158円と押したが出直りつつある。電子書籍配信サービスでは、「めちゃコミック」の新たな顧客層の開拓を目的に全国主要都市圏でのテレビコマーシャルを実施するなど広告戦略を強化と株式会社集英社および株式会社秋田書店のコミックの配信を開始するなどコンテンツの拡充を継続。国内では「めちゃコミックfor GREE」の開始や中国では提携先を通じてコミックの配信を開始するなど販路の拡大に取り組みなど、主力の電子書籍配信サービスの成長戦略を進める一方で、ソーシャルゲーム事業の事業戦略を見直し効果が発現しており、業績は順調に推移している。今期予想PER12倍台と割安感があるほか、26週移動平均線がサポートした感あり、トレンドは崩れていない。ここからの押し目は中長期的な視点で注目されよう。(株式評論家・信濃川)

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