ENECHANGE<4169>(東証グロース)は4月7日、トライアル期間を経て「GPT-4」の全社導入を開始することを発表した。AIのフル活用による全業務ラインに対する大幅な業務効率化が見込まれており、「GitHub Copilot」の全エンジニアへの導入及び、「ChatGPT Plus」の全従業員への導入を行い、まずは同社全業務における30%の自動化を目指す。同プレスリリース文の作成にも「GPT-4」が生成したドラフトを利用しているという。
■「GPT-4」の全社導入の背景
「GPT-4」の全社導入を決断した背景として、開発業務の効率化、テスト品質のさらなる向上、データベース管理業務の最適化、そしてマーケティング業務の効率向上を代表とした、多岐にわたる業務の効率化ニーズが存在した。
■「GPT-4」について
「GPT-4」は、米国の人工知能研究機関であるOpenAIによって2023年3月に公開された最新の大規模言語モデル(Large Language Model: LLM)である。この技術を活用した対話型AI「ChatGPT」は、一般向けに提供されている無料版に加え、高度な機能を備えた有料版「ChatGPT Plus」とAPIを通じた提供が行われている。前世代モデル「GPT-3.5」からさらに言語処理性能が向上し、従来よりも複雑なタスクへの対応が可能になっている。
■ENECHANGEにおける『GPT-4』の活用
同社は、2022年11月にリリースされた『ChatGPT』、そして2023年3月にリリースされた『GPT-4』を社内の有志によるトライアルを通じて活用の実験を行ってきた。その結果、ソフトウェア開発業務、テスト業務、データベース管理業務、マーケティング業務などにおいて、大きな効率の改善が見られた。『GPT-4』を全社で活用することにより、EV充電サービスにおける図面設計やカスタマーサポート業務などを含む、同社の業務範囲のうち最大50%程度が自動化による業務効率改善の対象になると見込んでいる。
また、言語処理技術の活用が、新たなUX(ユーザー体験)や既存サービスの付加価値の創出にもつながるものと判断した。最先端の技術に触れられる環境を従業員に提供することはエネルギーテック企業としての競争力を高く保つ上でも重要と考え、全社全業務への導入を決定した。
現在のエンジニア市場は慢性的な人材不足に直面しており、『ChatGPT』や『GPT-4』の活用によって得られるアドバンテージは大きいと考えている。また、AIに任せるべき業務はAIに任せることで、ハイスキルのエンジニアやメンバーにしかできない、本来行うべき業務に集中することができるようになっている。これにより、人員不足に悩む企業でも生産性を維持・向上することができるようになっている。
同社では、AIの活用による業務改革を積極的に進めていくことで、エンジニアや一般社員が本来行うべき業務に集中できる環境を整え、生産性の向上を図っていく。また、『ChatGPT』や『GPT-4』の導入によって、同社の採用にも大きなアドバンテージが生まれると期待している。
また、引き続き適切な情報・機密管理を実現するための規程の見直しや、発展する技術へのキャッチアップ教育機会の提供も順次行っていくとしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)