【編集長の視点】ワットマンは分割権利落ち後高値を射程、同業他社のストップ高で業績続伸期待を高める

 ワットマン<9927>(東証スタンダード)は、前日13日に35円高の645円と3営業日ぶりに急反発して引け、今年4月5日につけた株式分割の権利落ち後安値579円に並ぶ安値水準から底上げするとともに、今年3月30日につけた株式分割の権利落ち高値658円を射程圏に捉えた。昨13日に同業他社のトレジャー・ファクトリー<3093>(東証プライム)が、好決算と自己株式取得、中期経営計画の発表でストップ高しており、同社の目下集計中の前2023年3月期業績が、4月10日に発表した今年3月の月次売上高の連続プラスなどから上ぶれ着地し、次期2024年3月期業績も連続して過去最高を更新するとの期待を高め、低位バリュー株買いが再燃した。株式分割でも、今回に先立つ昨年3月末に実施した株式分割でもこの権利落ち分の90%を埋めており、この再現が先取りされている側面もある。

■リユース事業の電化製品、服飾が続伸しホビーも上乗せ

 同社の今年3月度の月次売上高は、既存店が前年同月比4.2%増、全店が同4.7%増となり、既存店売上高は、昨年2月から14カ月連続のプラスとなった。服飾・ボビージャンルの伸長が売上高を押し上げた。一方、目下集計中の前2023年3月期業績は、売り上げ69億2800万円(前々期比28.1%増)、営業利益4億円(同48.4%増)、経常利益4億円(同37.2%増)、純利益3億2200万円(同22.0%増)と見込まれ、純利益は連続して過去最高を更新する。リユース事業の既存店・全店の売上高が電化製品や服飾などの寄与で続伸し、新品EC事業も好調に推移、子会社化したホビーリサーチのホビーも上乗せとなったことなどが要因となっている。月次売上高の連続プラスは、この2023年3月期業績の上ぶれ着地と、次期2024年3月期の連続過去最高純利益更新への期待を高めている。

■1年前の株式分割はほぼ落ち分を埋め今回も再現期待を高める

 また株式分割については、同社は、東証スタンダード市場の上場基準で株主数が未達となっているのをカバーするために昨年3月31日を基準日に1株を2株に分割するための株式分割を実施した。この権利付き最終値2762円に対して一時は、権利落ち理論価格を下回る1301円まで調整したが、今年3月13日には2690円まで大きく買われ、権利落ち分をほぼ埋めた。今回の株式分割は、2023年3月31日を基準日に1株を4株に大幅分割しすでに権利落ちとなっているが、前回と同様の権利落ち埋めの再現もありそうだ。

 株価は、今年3月10日の株式分割・増配の発表とともに2690円まで約300円高して、2610円で分割・配当権利を落とした。分割権利落ち後は、落ち後理論価格をやや下回る579円と売られたが、売られ過ぎとして権利落ち後高値を窺うまで買い直された。前回の株式分割と同様に権利落ち埋めに再発進しよう。(情報提供:日本インタビュ新聞・株式投資情報編集長=浅妻昭治)

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