【業績で見る株価】スターティアは中期計画2年目も想定上回リ好調、材増強などで収益機会のネック解消

業績でみる株価

■9月末には株式2分割も実施

スターティア<3393>(東1)はビジネスソリューション関連事業やウェブソリューション関連事業などを展開し、新サービスとして「O2O(オンライントゥーオフライン)」関連システムやNTT東西の光回線を活用した光コラボレーション事業の「スターティア光」などを開始。事業の幅や厚みが一段と拡大する。9月末現在の株主に1対2の株式分割を行うことも当面の注目要因だ。

<足元の業績>

今期は、連結社員数の1割近い70名の新卒社員を加えるなどで先行投資を積極化させ、従来以上に「下期型」の計画としたが、第1四半期(15年4~6月)の連結業績は、全体的に期初の見通しを上回る着地となった。

第1四半期の売上高は、マイナンバー(税や社会保障の共通番号)制度への対応や電子ブック作成ソフトなどが追い風となり、期初予想の19億7000万円を上回る22億5300万円(前年同期比17.9%増加)に達し、経常利益は当初1億3700万円の赤字を想定していたが8500万円の赤字(前年同期は1800万円の赤字)にとどまった。純利益も当初の1億3700万円の赤字予想に対し8000万円の赤字(同3800万円の赤字)にとどまった。

人員の拡充については、技術職が2年前の14年3月期の第1四半期末に比べて4割強増加し、営業職は同じく3割近く増えた。大きな先行投資になるが、これにより、「受注に応じ切れなくて売り上げや利益が伸びないといったボトルネックが解消される体制が整う」(同社)。来期以降の収益力拡大の基盤として注目したいところだ。

<注目セクター>

ウェブソリューション事業の中では、スマートフォンなどのオンラインで商品情報を提供し、実店舗での購買行動につなげる「O2O(オンライントゥーオフライン)」関連システム「AppGoose」(アップグース)が計画を前倒してこの第1四半期から販売を開始し、早速、第1四半期の売上高や利益の上ブレに貢献した。業績を牽引する大型商材として要注目だ。

また、NTT東西の光回線を活用した光コラボレーション事業の「スターティア光」は7月に開始。同社にはビジネスソリューション事業などですでに全国1万4000を超える事業所の顧客がおり、まずは提供するサービスの機能拡充に潜在的な需要がある。また、同社は請求書の一括化などのビリングサービスも展開するため、新規ユーザーの開拓でも様々なサービスをコラボレーションすることで差別化できる有利さがある。

<今後の展望>

同社では現在、経常利益を主眼とする3ヵ年の中期利益計画(2015年3月期~17年3月期)を推進しており、初年度の経常利益は計画値の8億6600万円を上回る8億7800万円(前期比2.6%増加)を実現した。

2年目の今期からは、新サービスの開始により新たな成長段階に入る。今期の業績見通しは、売上高を100億円(前期比15.2%増)、経常利益を11億3400万円(同29.2%増)とし、純利益は20周年に関連するやりくりの影響で5億6700万円(同4.2%減)、1株利益は55.6円とする。第1四半期は計画を上回る推移となったため、達成に向けた展望は明るい状況だ。中期計画3年目の経常利益は14億円(同23.5%増)台を計画する。

<株価の位置&判断>

7月に2233円まで上げて2011年以来4年ぶりの高値に進み、その後は中段もち合いを形成しながら直近は1950円前後で推移している。次第に上値と下値の幅(振幅)が縮小して「三角もち合い」、「ペナントフラッグ」を形成する展開のため、振幅が煮詰まれば再び大きく動き出す可能性がある。

一方、今期予想1株利益をベースにしたPERは現在35倍前後。中期計画の到達年度になる来期の1株利益が経常利益と同じパーセンテージで伸びると仮定すると、来期の予想1株利益は約69円になる。これに基づいてPER35倍まで評価すると株価は2400円台でも不自然ではないことになる。

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