【近況リポート】Jトラスト1Q:海外中心の収益構造へ取り組みスタート

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近況リポート

■東南アジアで収益基盤確立急ぐ~金融業で収益拡大の好チャンス

 Jトラスト<8508>(東2)は当期初の5月、2018年3月期を終年とする同社グループ初の中期経営計画(中計)を発表し、今後同社収益は、海外中心の収益構造へ転換することを明示した。

 進出以来4年目を迎えた韓国金融事業は黒字化を達成したのをはじめ、今後、東南アジア地域では、銀行業務の収益が継続的に拡大するタイミングと見られ、同地域(インドネシア、シンガポール、)に拠点を設置、金融事業への取り組みを積極的に進め、基盤確立に向け着実に実績を挙げている。中計最終年度には、売上高1,421憶円(前期末比約2.3倍)、営業利益217億円、営業利益率15.3%、ROE10%の達成を目指す。

■「方向にブレなし、チャレンジ重ね達成を約束」~千葉専務語る

333333.jpg 今期第1四半期業績説明会(8月13日開催)冒頭、代表取締役専務執行役員千葉信育氏は、今期通期決算時点からIFRSベースでの数値を開示する旨発表した。また、当四半期実績について、営業利益が目標未達であったことを踏まえ、「我々にとってはここからが事業の醍醐味である。」と述べ、経験の中から「やりたい事業、買いたい会社あっても、資金、人、市場がないのが一番辛い。だが、Jトラストにとっていまの環境は、資金も、人材も、市場もある。それらを武器に全社員が努力で改善できる状況にある。中計は全社の志であり、方向にブレはない。勝ち取るためのチャレンジを重ね達成することを約束する」と決意を語った。

■国内・韓国&インドネシアで金融業が好調、営業収益22.4%伸長

【第1四半期概要】

 国内・韓国での金融事業が順調に推移、新たに取得したJトラストインドネシア銀行の寄与もあり、営業収益が前年同期比22.4%伸びて19,490百万円、営業総利益は9,571百万円で同16.9%増加した。

 一方支出面では、Jトラストインドネシア銀行取得のれん代償却と財務健全化を進める貸倒引当金繰入額を増したことに加え、従業員増による人件費増など、前向き施策を先行実施した結果販管費が11,523百万円と34%増え、営業損失1,951百万円、四半期純損失2,789百万円となった。

【セグメント別収益概況】

 金融事業:営業収益が13,499百万円(前年同期比32.4%増)へ規模拡大したが、Jトラストインドネシア銀行取得による一時的費用増で営業損失160百万円を計上した。拠点地域別では、「国内金融事業」がKCカードの譲渡で割賦立替金残高が減少し営業利益が2,860百万円と10.7%減少した。「韓国金融事業」はJT親愛貯蓄銀行の新規貸付債権の増加、前期に取得したJT貯蓄銀行の営業収益とJTキャピタルの貸付利息増加で営業収益が49%増加、営業利益は15百万円の黒字へ転換た。「東南アジア金融業」は営業収益3,227百万円、営業損失2,519百万円となった。

 総合エンターメント事業:ハイライツ・エンターテイメント(前期取得)の営業収益が加わったが費用も増加し、売上高3,905百万円(同7.2%増)、営業利益44百万円(同76.3%減)となった。

 不動産事業:前期の消費税引き上げに伴う駆け込み需要の反動で営業収益1,244百万円(同32.6%減)となった。

 その他・非金融事業:当期、新規連結の日本介護グループなどの事業収益、営業費用とも増加し、営業収益19,748百万円(同21.9%増)、営業利益111百万円と黒字へ転換した。

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