ファンデリーは23年3月期営業・経常赤字拡大、24年3月期は黒字転換予想
- 2023/5/1 09:27
- 決算発表記事情報
(決算速報)
ファンデリー<3137>(東証グロース)は4月28日取引時間終了後に23年3月期業績(非連結)を発表した。計画を下回り減収、営業・経常赤字拡大して着地した。コロナ禍の影響などで売上回復が遅れた。当期純利益は減損損失が一巡して赤字縮小した。24年3月期は販管費が増加するものの、売上回復などで増収・黒字転換予想としている。コロナ禍影響の緩和や積極的な事業展開で収益回復基調を期待したい。株価は急伸して底放れの動きを強めている。24年3月期黒字転換予想も評価して出直りを期待したい。
■23年3月期営業・経常赤字拡大、24年3月期は黒字転換予想
23年3月期の業績(非連結)は、売上高が22年3月期比10.0%減の28億10百万円、営業利益が2億85百万円の赤字(22年3月期は1億77百万円の赤字)、経常利益が2億84百万円の赤字(同1億58百万円の赤字)、当期純利益が2億84百万円の赤字(同19億48百万円の赤字)だった。配当は無配(前回予想は3円)とした。
計画を下回り減収、営業・経常赤字拡大して着地した。減価償却費や製品評価損の減少がプラス要因だったが、コロナ禍の影響などで全体として売上回復が遅れ、広告宣伝費の増加(23年2月27日よりCID事業「旬をすぐに」のTVCM開始)なども影響した。当期純利益は減損損失一巡で赤字縮小した。
MFD事業は売上高が7.8%減の22億56百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が7.2%減の4億80百万円だった。コロナ禍に伴う外来患者減少などで医療機関等の紹介ネットワークを通じた新規顧客獲得が減少した。ただし商品構成見直し効果(新カテゴリのパワーアップ食の拡大など)で営業利益率が改善した。第4四半期のアクティブ会員数は2万6322人で22年3月期第4四半期比3182人減少したが、ARPUは1万5938円で1220円増加した。定期コース会員数は6401人で901人減少したが、コロナ禍の収束傾向に伴って第4四半期はミールタイム配布数が増加傾向となった。紹介ネットワーク数は1万9865箇所で37箇所増加した。
CID事業は売上高が39.1%減の1億41百万円、利益が7億58百万円の赤字(22年3月期は7億50百万円の赤字)だった。前年のTV放送やSNSプロモーション等の効果が一巡してアクティブ会員数および販売数が減少し、依然として損益分岐点に達していないため赤字だった。ただし四半期別にみると、第4四半期の月間ARPU(3か月平均)は5875円で第3四半期比319円増加した。値引き販売を減らし、高価格帯のラインナップを拡充したことも寄与した。なお前期との比較で見ると、第4四半期のアクティブ会員数は6132人で22年3月期第4四半期比1万5368人減少、月間ARPUは5875円で589円減少、AI旬すぐ会員数は1455人で397人増加した。
マーケティング事業は売上高が7.3%減の4億12百万円、利益が12.4%減の2億90百万円だった。期ズレの影響で減収減益だったが、健康食通販カタログの広告枠販売に加えて、紹介ネットワークを活用した業務受託を複数案件獲得した。
なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が6億74百万円で営業利益が17百万円の赤字、第2四半期は売上高が7億23百万円で営業利益が0百万円の黒字、第3四半期は売上高が7億60百万円で営業利益が53百万円の黒字、第4四半期は売上高が6億52百万円で営業利益が3億21百万円の赤字だった。第4四半期にCID事業において広告宣伝費(TVCMなど)1億99百万円、包装資材評価損35百万円を計上した。
24年3月期の業績(非連結)予想は売上高が23年3月期比8.1%増の30億37百万円、営業利益が52百万円の黒字(23年3月期は2億85百万円の赤字)、経常利益が51百万円の黒字(同2億84百万円の赤字)、当期純利益が50百万円の黒字(同2億84百万円の赤字)としている。
MFD事業の計画は、売上高が23年3月期比3.5%増の23億35百万円でセグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が11.7%減の4億23百万円としている。コロナ禍収束傾向に伴って23年3月期第4四半期後半から事業環境好転の兆しを見せており、さらに紹介ネットワークの新規開拓や振興を推進して売上回復を見込む。なお平均単価については前期比横ばいの前提としている。
CID事業の計画は、売上高が42.3%増の2億01百万円で利益が4億11百万円の赤字(23年3月期は7億58百万円の赤字)としている。売上面は知名度向上効果などで増収を見込み、利益面では前期第4四半期に計上した広告宣伝費や包装資材評価損の一巡も寄与する。なお平均単価については前期比横ばいの前提としている。
マーケティング事業の計画は、売上高が21.2%増の5億円で利益が25.5%増の3億64百万円としている。前期の期ズレ案件も寄与して第1四半期の売上高は四半期ベースで過去最高となる見込みだ。
24年3月期は販管費が増加するものの、売上回復などで増収・黒字転換予想としている。コロナ禍影響の緩和や積極的な事業展開で収益回復基調を期待したい。
■株価は急伸して底放れ
株価は急伸して底放れの動きを強めている。24年3月期黒字転換予想も評価して出直りを期待したい。4月28日の終値は421円、今期予想PER(会社予想のEPS7円97銭で算出)は約53倍、前期実績PBR(前期実績のBPS53円37銭で算出)は約7.9倍、そして時価総額は約27億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)