クリナップは23年3月期減益だが24年3月期大幅増益予想
- 2023/5/10 09:06
- 決算発表記事情報
(決算速報)
クリナップ<7955>(東証プライム)は5月9日の取引時間終了後に23年3月期連結業績を発表した。高付加価値製品の拡販などで増収だが、原材料・エネルギー価格高騰の影響をカバーできず減益で着地した。24年3月期はさらなる拡販や原価低減・生産性向上を推進して大幅増益予想としている。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。株価は年初来高値圏だ。24年3月期大幅増益予想や指標面の割安感を評価して上値を試す展開を期待したい。
■23年3月期減益だが24年3月期大幅増益予想
23年3月期の連結業績は、売上高が22年3月期比9.4%増の1240億12百万円だが、営業利益が20.6%減の30億14百万円、経常利益が16.4%減の35億62百万円、そして親会社株主帰属当期純利益が20.0%減の25億23百万円だった。配当は22年3月期比3円増配の26円(第2四半期末13円、期末13円)とした。配当性向は38.0%となる。
主力の中高級システムキッチン「STEDIA」を中心とする高付加価値製品の拡販などで増収だが、原材料・エネルギー価格高騰の影響をカバーできず減益で着地した。なお海外では22年10月から現地の生活様式に合わせたモデルの現地生産を開始した。部門別売上高は厨房部門が10.5%増の1008億18百万円、浴槽・洗面部門が2.0%増の152億51百万円だった。
四半期別に見ると、第1四半期は売上高292億06百万円で営業利益6億26百万円、第2四半期は売上高321億04百万円で営業利益11億31百万円、第3四半期は売上高328億02百万円で営業利益14億14百万円、第4四半期は売上高299億円で営業利益1億57百万円の赤字だった。
24年3月期の連結業績予想は、売上高が23年3月期比5.6%増の1310億円、営業利益が46.0%増の44億円、経常利益が40.4%増の50億円、親会社株主帰属当期純利益が30.8%増の33億円としている。配当予想は23年3月期と同額の26円(第2四半期末13円、期末13円)としている。予想配当性向は29.1%となる。
さらなる拡販や原価低減・生産性向上を推進して大幅増益予想としている。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。
■株価は上値試す
株価は年初来高値圏だ。24年3月期大幅増益予想や指標面の割安感を評価して上値を試す展開を期待したい。5月9日の終値は747円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS89円45銭で算出)は約8倍、今期予想配当利回り(会社予想の26円で算出)は約3.5%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1514円13銭で算出)は約0.5倍、そして時価総額は約280億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)