【編集長の視点】粧美堂はコロナ禍でも化粧品・化粧雑貨が好調、今期2Q累計業績に期待高まる

■きょう12日発表予定の2Q決算に期待を高めて年初来高値を窺う

 粧美堂<7819>(東証プライム)は、きょう12日に今2023年9月期第2四半期(2022年10月~2023年3月期、2Q)累計決算の発表を予定しており、今期第1四半期(2022年10月~12月期、2Q)の利益を下押したデリバティブ取引の評価損が一巡することから2Q累計業績に期待を高めて先回り買いが続いた。テクニカル的にも5日移動平均線が、25日移動平均線を上抜くミニ・ゴールデンクロス(GC)を示現して上昇トレンド転換を示唆しているとして買い手掛かりとなっている。

■デリバティブ取引の評価損は今期1Q業績に計上して一巡

 同社の今期1Q業績は、売り上げ49億600万円(前年同期比26.4%増)、営業利益2億4100万円(同4.6%増)、経常利益8500万円(同65.4%減)、純利益4600万円(同70.0%減)と増減マチマチで着地した。新型コロナウイルス感染症の収束に伴うリオープン(経済活動再開)で同社の主要顧客の若い女性の外出機会が拡大し、化粧品・化粧雑貨の売り上げは、34億387万円(同21.3%増)と好調に推移した。ただ化粧品のファブレスメーカーとして総仕入れ額の約37%を海外からドル建てで輸入しており、この為替予約によるデリバティブ取引の時価評価が、円安・ドル高進行により評価損となり為替差損1億5900万円を計上したことが経常利益、純利益の減益転換要因となった。

 ただこの為替予約は、今期末の9月まで継続しこのあとの評価損が発生しないことから今期2Q累計業績への期待を高めている。前期の2Q累計業績は、前々同期比13.9%増収、73.3%営業増益、64.8%経常増益、61.0%純益増益とV字回復して着地し、前9月期通期業績を上方修正しており、きょう12日に発表予定の今期2Q累計業績がどう変化するか注目されている。また今9月期通期業績は、売り上げ184億円(前期比22.3%増)、営業利益4億円(同37.6%減)、経常利益3億8000万円(同38.3%減)、純利益2億1000万円(同59.0%減)と予想されており、この通期予想業績に対する進捗度合いもポイントとなる。

■ミニGC示現で上昇トレンド転換しまず昨年2月高値奪回に弾み

 株価は、昨年11月の前期業績の上方修正では材料出尽くし感を強めて下値を探り、今期業績の減益転換予想が響いて昨年来安値341円まで調整した。同安値からは、リオープン関連のアフターコロナ株人気を高めてリバウンドし、25日移動平均線を出没する中段固めを続け、5日移動平均線が25日移動平均線を上抜くミニGCを示現して年初来高値393円まで買われ上昇トレンド転換を示唆している。PERは24倍台と割安感は乏しいものの、PBRはなお0.85倍と売られ過ぎであり、まず昨年2月高値438円奪回に弾みをつけよう。
(情報提供:日本インタビュ新聞・株式投資情報編集長=浅妻昭治)

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