【編集長の視点】アソインターナショナルは価格改定と新矯正治療システムの発売で業績拡大へ
- 2023/5/17 08:44
- 編集長の視点
■高変化率となったことを見直し下げ過ぎ修正買いが再燃
アソインターナショナル<9340>(東証スタンダード)は、15日につけた年初来安値638円から底上げしている。前週末5月12日に発表した今2023年6月期第3四半期(2022年7月~2023年3月期、3Q)決算が、6月期通期予想業績に対してやや低い利益進捗率で着地したが、今期の四半期別の業績推移では、第2四半期(2022年7月~12月期、2Q)業績に対して増収増益で高変化率となったことを見直し下げ過ぎ修正買いが再燃し、期末に向け配当権利を取る買い物も交錯している。来2024年6月期業績も、今年6月から歯科技工物の価格改定を予定していることから期待を高め、サポート材料視されている。
■シェア34%超の矯正歯科技工物の受注が新規獲得も加わり順調
同社の今期3Q業績は、売り上げ23億6600万円、営業利益3億1300万円、経常利益2億7400万円、純利益2億1600万円となった。昨年12月23日に新規株式公開(IPO)され四半期決算は初開示となるため前年同期比較はないが、今6月期通期予想業績に対する利益進捗率は、56%~64%とやや低調にとどまった。国内シェア34%超とトップを占める矯正歯科技工物の受注が、既存の歯科医療機関からの追加受注や新規の歯科医療機関からの受注獲得で順調に推移したが、昨年12月23日に新規株式公開(IPO)した上場関連費用の計上と円安・ドル高による調達コストの上昇や為替差損などが利益を下押した。ただ四半期別の比較では、この影響が大きく出た今期2Q業績に対して3Qは営業利益が72%増益、経常利益が4.4倍、純利益が5.4倍と高変化した。
今6月期通期業績は、IPO時予想を据え置き売り上げ32億6200万円(前期比4.7%増)、営業利益5億2800万円(同3.3%増)、経常利益4億8600万円(同6.2%減)、純利益3億3500万円(同4.6%減)を見込み、配当も年間21円を予定している。来2024年6月期は、上場関連費用の一巡や6月1日からの価格改定、さらにマウスピース型の新矯正治療システムの発売などの効果などから業績期待を高めている。
■下げ過ぎ修正に期末に向け配当利回り3.2%も意識しまず公開価格870円奪回へ
株価は、公開価格870円でIPOされ、1001円で初値をつけ上場来高値1007円まで上値を伸ばす高人気となり、この反動で下値を探り、今期2Q業績発表とともに651円安値まで調整した。同安値から売られ過ぎとして780円までリバウンドしたが、米国の金融システム不安を背景にした世界同時株安のなか下値を探り、3Q決算発表を受け上場来安値638円まで再調整した。25日移動平均線からは5%超のマイナスかい離と下げ過ぎを示唆しており、6月期期末接近とともに年間配当利回り3.23%も意識した配当権利取りの再燃も期待され、まず公開価格870円の奪回に動こう。(情報提供:日本インタビュ新聞・株式投資情報編集長=浅妻昭治)