ケンコーマヨネーズは24年3月期大幅増益・増配予想

(決算速報)
ケンコーマヨネーズ<2915>(東証プライム)は5月15日の取引時間終了後に23年3月期連結業績を発表した。価格改定効果で増収だが、原材料価格・エネルギーコスト高騰の影響で大幅減益だった。24年3月期は大幅増益・増配予想としている。さらなる価格改定や生産性向上で収益性改善を推進する方針だ。積極的な事業展開で収益回復基調だろう。株価は3月の安値圏から切り返して底打ち感を強めている。24年3月期大幅増益・増配予想も好感した。週足チャートで見ると13週移動平均線を突破した。PBR1倍割れも支援材料であり、基調転換して出直りを期待したい。

■23年3月期大幅減益、24年3月期は大幅増益・増配予想

23年3月期第の連結業績は、売上高が22年3月期比8.9%増の823億63百万円、営業利益が93.5%減の1億05百万円、経常利益が89.6%減の1億69百万円、親会社株主帰属当期純利益が59.9%減の4億85百万円だった。配当は22年3月期と同額の17円(第2四半期末8円、期末9円)とした。配当性向は56.9%となる。

価格改定効果で増収だが、原材料価格・エネルギーコスト高騰の影響で大幅減益だった。原材料価格・エネルギーコスト高騰の影響で減益だった。なお特別利益では投資有価証券売却益3億02百万円を計上し、補助金収入が91百万円増加した。特別損失では固定資産圧縮損1億02百万円を計上した。

調味料・加工食品事業は売上高が10.6%増の636億78百万円、セグメント利益(調整前経常利益)が2億35百万円の赤字(22年3月期は18億87百万円の黒字)だった。売上面は社会経済活動正常化や価格改定効果などで増収だが、原材料価格・エネルギーコスト高騰の影響を受けた。タマゴ加工品について、高病原性鳥インフルエンザの感染拡大に伴って、一部商品の休売や供給制限を実施したことも影響した。

総菜関連事業等は売上高が2.9%増の177億33百万円、利益が26.8%減の7億20百万円だった。外食需要回復や家格改定で増収だが、原材料価格・エネルギーコスト高騰の影響を受けた。

なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が200億85百万円、営業利益が3億44百万円、経常利益が3億47百万円、第2四半期は売上高が206億65百万円、営業利益が2億76百万円、経常利益が2億95百万円、第3四半期は売上高が218億47百万円、営業利益が1億84百万円の赤字、経常利益が1億77百万円の赤字、第4四半期は売上高が197億66百万円、営業利益が3億31百万円の赤字、経常利益が2億96百万円の赤字だった。

24年3月期の連結業績予想は売上高が23年3月期比6.1%増の807億円、営業利益が11.6倍の12億20百万円、経常利益が7.7倍の13億円、親会社株主帰属当期純利益が17.4%増の5億70百万円としている。配当予想は23年3月期比8円増配の25円(第2四半期末10円、期末15円)としている。予想配当性向は71.3%となる。

原材料価格・エネルギーコストの高止まりを見込むが、さらなる価格改定や生産性向上で収益性改善を推進する方針だ。積極的な事業展開で収益回復基調だろう。

■株価は底打ちして基調転換の動き

株価は3月の安値圏から切り返して底打ち感を強めている。24年3月期大幅増益・増配予想も好感した。週足チャートで見ると13週移動平均線を突破した。PBR1倍割れも支援材料であり、基調転換して出直りを期待したい。5月17日の終値は1301円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS35円05銭で算出)は約37倍、今期予想配当利回り(会社予想の25円で算出)は約1.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2281円75銭で算出)は約0.6倍、そして時価総額は約214億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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