【編集長の視点】クリーク・アンド・リバー社は安値更新も2月通期純利益の連続過去最高更新を手掛かりに突っ込み買い余地

編集長の視点

クリーク・アンド・リバー社<4763>(JQS)は、51円安の542円と3営業日続落して始まり、7月9日につけた年初来安値550円を下抜いている。中国を震源地とする世界連鎖株安を受け、きょう24日の日経平均株価が、507円安と続急落してスタートしたことが波及し、リスク回避売りが続いている。ただ同社株は、今年7月2日に発表した今2月期第1四半期(1Q)業績が、2ケタ減益と伸び悩んだことで年初来安値550円まで突っ込み、早めに調整入りとなっていただけに立ち直りも速く、今2月期通期純利益の連続の過去最高更新予想を見直し下げ過ぎ訂正買いの再燃も想定され、突っ込み買いも一考余地がありそうだ。1Qの売上高が、四半期として過去最高で着地したことも、下期の増益ピッチの加速期待を高めサポートしそうだ。

■新規事業や戦力的な人員採用などが下期にフル寄与し配当も連続増配

今期1Q業績は、売り上げが63億6900万円(前年同期比4.6%増)と続伸し、四半期実績として過去最高となったが、営業利益が4億5800万円(同20.7%減)、経常利益が4億6000万円(同21.1%減)、純利益が2億4500万円(同29.8%減)とそれぞれ減益転換した。売り上げは、既存事業のIT分野で前期計上の大型案件が減少したが、ゲーム分野が、開発スタジオの拡大効果で好調に推移し、出版分野も、電子書籍取次事業の配信数、ダウンロード数が、順調に増加、新規事業でも、建築分野のプロデュース事業「ミタス・プロジェクト」が本格始動して第1弾案件を受注したことなどで続伸した。ただ、利益は、各セグメントで戦略的に人員を採用、グループ人員数が754名から863名に拡大し販管費が先行したことなどで減益転換した。

この戦略的投資は今後、業績寄与するとして今期第2四半期(2Q)累計・通期業績は、期初予想を据え置いた。3月通期業績は、売り上げ250億円(前期比9.0%増)、営業利益15億円(同15.7%増)、経常利益15億円(同13.6%増)、純利益8億円(同7.5%増)と見込み、純利益は、前期の過去最高を連続更新し、年間配当も、8円(前期実績7円)と連続増配を予定している。

■高値から値幅・日柄調整は十分でPER14倍台の下げ過ぎ訂正に発進

株価は、前期第3四半期の好決算を評価してつけた年初来高値810円から、今期業績の連続最高予想も市場コンセンサスを下回り、全般相場急落も追い討ちになって620円と調整した。同安値からは下げ過ぎとして667円とリバウンドしたが、1Q減益業績が響いて同安値550円と突っ込み、25日移動平均線水準での底固めを続けてきたが、前週末21日の世界同時株安とともに再度の下値模索となった。PERは14倍台と下げ過ぎを示唆しており、年初来高値から値幅で約33%、日柄で6カ月と調整十分として底上げに発進しよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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