【どう見るこの相場】日経平均の行方

■今回の「チャイナショック」は「リーマンショック」と同等の位置づけが必要、世界経済規模3位の日本に期待

<Q>どえらく相場は下げている。当然、「○○ショック」と名前がつくんだろうね。

<A>今日の872円安を含めて5営業日連続安で5日間で合計約2105円下げた。当然、なんとかショックということになるが、今回は「チャイナショック」と名付けていいだろう。

<Q>最近は、先月7月に、「ギリシャショック」があったが、比べてどうだろう。

<A>ギリシャショックとは比べものとならない、世界GDP中、コンマ数パーセントのギリシャとGDP世界2位の中国とでは、世界経済への影響がまったく違う。ギリシャショクより、「リーマンショック」と比べるべきだろう。

<Q>2008年のアメリカの金融不安によるショック安以来ということか。

<A>そうなる。リーマンショックは世界経済規模1位のアメリカの挫折だった。中国は世界経済規模2位だから、当然、比べる対象はアメリカ発の世界不況であるリーマンショックということになる。

■リーマンショックではNYダウは54%下げた、中国が救ったが今回は日本以外難しい、日経平均から底打ち反発の可能性

<Q>怖い話だ。リーマンショックではNYダウは07年10月の1万4198ドルから09年3月の6469ドル(いずれも場中値)まで54.4%下げた。日経平均も07年の1万8300円から08年10月の6994円まで61.7%下げている。今回、同じだけ下げるというわけではないが、ショックと名を付ける以上は一応、理屈としては考えておく必要はある。

<Q>リーマンショックの時は、中国が大型政府投資で世界経済を救ったと思うが。

<A>中国は50兆円近い政府投資でGDPを年率10数パーセントに高め世界経済の機関車役となり、経済規模は日本を抜いて世界2位となった。今回は、そのツケが来ているとみられる。だれが、世界経済を救うか、難しいところだ。アメリカは3度におよぶ金融量的緩和で景気は6年にわたって上昇、NYダウも09年3月から2.8倍の上昇となっている。これ以上アメリカは景気を大きく伸ばすことは難しく景気の巡航速度入りを模索している。もちろん、病み上がりのヨーロッパには期待できない。

<Q>期待できるのは、世界経済規模3位の、「日本」ということか。

<A>流れとしてはそうなるが、日本もアベノミクスが息切れ状態で4~6月のGDPは年率マイナス1・6%という状態だ。ただ、量的金融緩和をアメリカと同じ3度期待できるとすれば、これまで2度実施しているから残りもう1度のカードは残っている。当然、世界から日本への期待は強まるものとみられる。

<Q>日経平均は下値をどこまでみておけばよいか。

<A>今の世界経済は、中国発の「世界デフレ」ともいえる症状だから各国が集まってどのような対策を打つか、そして、日本が3度目のカードをどこで使ってくるかにかかっている。中国の経済悪化は分かってはいたことだが、実体はベールに包まれているところがあるので、今回、天津の化学工場爆発事故が引き金になって世界の株価が下げに転じた。依然、中国の実体は不透明だから、「中国悪材料出尽くし」にはならないだろう。多分、今回は日本株から底入れ・反発ということになると思われるが、日銀の黒田総裁の采配にかかっているといえる。日経平均を週足チャートでみれば14年12月の1万6672円と15年1月の1万6592円がかなり強力な下値のフシとなっている。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■シスルナ経済圏構築に向け、グローバルなパートナーシップを強化  ispace(アイスペース)<9…
  2. 【先人の教えを格言で解説!】 (犬丸正寛=株式評論家・平成28年:2016年)没・享年72歳。生前に…
  3. ■物価高・人手不足が直撃、倒産件数29カ月連続で増加  帝国データバンクの調査によると、倒産件数が…
2024年11月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930  

ピックアップ記事

  1. ■化粧品大手は業績下方修正も、電鉄各社は上方修正で活況  トランプ次期大統領の影響を受けない純内需…
  2. どう見るこの相場
    ■金利敏感株の次は円安メリット株?!インバウンド関連株に「トランプ・トレード」ローテーション  米…
  3. ■金利上昇追い風に地銀株が躍進、政策期待も後押し  金利上昇の影響を受けて銀行株、特に地方銀行株の…
  4. ■トリプルセット行、ダブルセット行も相次ぐ地銀銀株は決算プレイで「トランプトレード」へキャッチアップ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る