■出遅れの二番手、三番手の半導体関連株を深掘り
今週の当特集は、岸田政策関株としてまだエネルギー蓄積中の出遅れの二番手、三番手の半導体関連株を深掘りするとともに、マイクロン景気に湧く岸田首相の地元の広島県に本社を置く広島関連株へのプラス1の関連人気波及に注目した。先行した海外投資家と買い遅れた国内投資家の「競争と協調の好循環」を期待するところだろう。
■PER7倍~8倍、PBR1倍割れ銘柄が二番手、三番手候補
出遅れ半導体銘柄の最たるものといえば、3月期決算を発表して今期業績の減益転換や減配予想を嫌って5月15日、16日、17日に相次いで年初来安値まで急落した銘柄だろう。内外テック<3374>(東証スタンダード)、関東電化工業<4047>(東証プライム)、エノモト<6928>(東証プライム)で、いずれも半導体やメモリの在庫調整が長期化しているとして慎重な業績予想になっている。しかしPER評価は内外テックとエノモトが8倍台、関東電化が13倍、PBRは0.5倍~0.7倍で、エノモトの年間配当利回りに至っては4.2%と売られ過ぎを示唆しており、3銘柄がこのままリバウンド幅を拡大していけば、買いシグナルとなりそうだ。
半導体関連株の二番手、三番手候補は、PER評価で割り負けている7倍台のトクヤマ<4043>(東証プライム)、ヤマハ発動機<7272>(東証プライム)以下、山一電機<6941>(東証プライム)、SUMCO<3436>(東証プライム)、野村マイクロ・サイエンス<6254>(東証プライム)、住友重機械工業<6302>(東証プライム)、TOWA<6315>(東証プライム)、SCREENホールディングス<7735>(東証プライム)を経て11倍台の荏原<6361>(東証プライム)、テセック<6337>(東証スタンダード)までなどで、先行グループへのキャッチアップを期待したい。
■プラス1の広島関連株にも猛暑関連の話題株のほか低PER株が多士済々
プラス1の広島関連株でまず話題提供となるのは、前週末19日に年初来高値を更新した自重堂<3597>(東証スタンダード)だろう。今年5月12日に発表した今6月期第3四半期の純利益は、小幅減益で着地したが、折から全国各地に広がった猛暑日で、前期業績の上方修正を牽引した熱中症対策商品「空調服」の特需再燃を先取りする動きが高まったことによる。このほか広島関連の割安株は、PER3倍台のオービス<7827>(東証スタンダード)と石井表記<6336>(東証スタンダード)以下、低PER順にマツダ<7261>(東証プライム)、北川精機<6327>(東証スタンダード)、青山商事<8219>(東証プライム)、フェニックスバイオ<6190>(東証グロース)、内海造船<7018>(東証スタンダード)、ひろぎんホールディングス<7337>(東証プライム)、広島ガス<9535>(東証プライム)と続き、広島ガスのPERは8.8倍にとどまる。
このほか業績はいずれも苦戦続きで、売られた年初来安値から底上げ途上にある半導体関連のローチェ<6323>(東証プライム)はPER12.8倍、アドテック プラズマ テクノロジー<6668>(東証スタンダード)は10.7倍、ハイテク関連のヤスハラケミカル<4957>(東証スタンダード)はやや割高の18、8倍だが、マイクロン景気とサミット効果が、株価インパクトになりそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)