【経済評論家の視点】マルマエの相場付好転、半導体関連の受注が急増

株式評論家の視点

株式評論家の視点 マルマエ(6264・東マ・売買単位100株)は、主力事業は半導体・太陽光発電・フラットパネルディスプレイ(FPD)の製造装置に使用される真空チャンパ―や電極といった電子部品の製造を行う精密切削加工である。同社の取り扱っている製品には半導体製造装置関連部品のほか、太陽製造装置部品、FPD製造装置関連部品などである。スマートフォンやタブレッド端末の設備投資が回復基調にあるために、受注が増加傾向にある。

 半導体分野では2014年7月77億円、8月94億円、9月105億円、そして10月も100億円と高水準をキープ。10月の100億円は前年同月比では68%もの大幅増加となる。さらに光学関連(カメラ・顕微鏡)や医療装置関連を中心としたその他分野の受注も7月31億円、8月13億円、9月12億円だったものが、10月は143億円(同4.9倍)に急速に膨らんだ。このため、売上高は増加する見通しで、しかも同社では固定費の削減や社内生産性の改善を図っている。

 会社側では2015年8月期の業績を売上高16億円(前期比0.9%増)、営業利益2億2000万円(同17.6%減)、経常利益2億円(同21.6%減)、当期純利益2億1000万円(同30.5%減)を確保すると発表している。

 しかし、この予想は堅めの数字であり、今の段階でハッキリしたことは分からないが、前述した受注動向などを勘案すると増額修正が現実のものになってくる可能性があるとみられる。場合のよっては増益も期待されよう。

 こうしたことを反映して株価は動意付きてきた。当面の上値のカベと見られていた900円を突破してきたのだ。当然、先高期待が投資の間で膨らんでいることから、目先筋も売りを手控えはじめた。このため、今後は真空地帯を一気に駆け上がることもあるのではないだろうか。

 しかも、これを支援する材料がある。それは何と言ってもPERが低い点だ。今期の予想一株利益で計算したPERが8倍以下である。一応、今期の業績予想が減益とはいえ、超割安な水準であることは確か。さらに、日々線が25日移動平均線を上回ってきたということは、チャート判断上でも、さらに上昇することを示唆している。以上のことから、同社株は年初来高値1468円奪回を目指す展開が期待してもいいのではなかろうか。この流れに素直に付きたい。(志木克己)

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