米債務上限問題で揺れる日経平均、デフォルト回避なら多極化相場に期待

■米国デフォルト回避なら株高期待!

 日経平均株価は、米債務上限問題で基本合意したとの報道を好感し、利益確定売りに伸び悩んだものの、3万1560円43銭(前日比644円12銭高)まで上昇した。米国は6月5日までにデフォルトを回避する必要があるが、与野党の対立で見通しは不透明だ。デフォルトが回避されれば、株価の上値を圧迫していたリスク要因が解消されることになる。

 金融マーケットでは、安全資産からリスク資産へ巻き戻し、為替は円安・ドル高に進む。これまでリスクオフの裏返しだった半導体関連株高の「一強多弱」相場も影響を受けるとともに、売られていた小型株や景気敏感系・ディフェンシブ系のバリュー株が切り返し「多極化相場」に発展する可能性もある。また東京市場の需給要因に関しても、海外投資家が本国市場に資金を還流させるレパトリエーションが起こるのか起きないのか見定める必要も出てくる。

 債務が法定上限に達すると、政府は議会の承認を得て、上限を引き上げなければならない。しかし、与野党の思惑で引き上げは見通しにくい状況となっている。米国がデフォルトに陥れば、経済と国民生活に取り返しのつかない損害を与える。

 米国はこの問題について、さまざまな回避手段が存在するため、議会自ら米国のデフォルトを選択する可能性は極めて低いと考えられる。しかし、金融市場ではこの問題が決着するまで、相場が荒っぽく動くことは十分に考えられる。トレーダーはそのことを念頭に置いて取引に臨む必要があるだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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