日経225マイクロ先物とミニオプションの魅力と活用法

■株式市場における新たな選択肢として注目

 2023年5月29日から、日本取引所グループ(JPX)<8697>(東証プライム)は、日経平均株価(日経225)を対象とした新たな先物・オプション商品を取り扱い始める。それが『日経225マイクロ先物』と『日経225ミニオプション』である。これらの商品は、従来の先物・オプションよりも取引単位が小さく、より少ない資金で取引できるという特徴を持つ。では、具体的にどのような商品なのか、そしてどのように活用できるのかを見ていこう。

 まず、『日経225マイクロ先物』は、取引単位が『日経225mini』の10分の1(基幹となる日経225先物の100分の1)である。つまり、日経225が30,000円の場合、1枚あたりの取引想定元本は30万円となる。これは、現物市場における投資の小口化の進展や、より細やかなリスク管理手段に対するニーズに応えるために開発された商品だ。個人投資家はもちろん、機関投資家も運用する株式のヘッジなどで一段とキメ細かい活用が可能になる。

 次に、『ミニオプション』は、現行の日経225オプション(週次設定限月)の10分の1の取引単位で売買できる。また、通常限月も設定されるため、より長期的な取引も可能になる。オプションは、将来の特定の日に特定の値段で売買する権利を売買する取引である。オプションを使えば、相場が上昇する場合や下落する場合だけでなく、変動しない場合や大きく変動する場合など、さまざまな相場観に基づいて投資戦略を立てることができる。

■個人・機関投資家にとっての新たな選択肢

 以上のように、『日経225マイクロ先物』と『日経225ミニオプション』は、それぞれ先物・オプションという性質を持ちつつも、より小額で取引できるというメリットがある。これにより、投資家層の拡大を通じて先物・オプション市場の活性化が期待される。また、東証では、マーケットメイカー制度を導入して流動性を補完するとともに、セミナーや教育プログラムなどを通じて商品の理解促進に努めていくとしている。『日経225マイクロ先物』と『日経225ミニオプション』は、株式市場における新たな選択肢として注目されるだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

     

    ピックアップ記事

    1. ■通信障害で携帯電話が使えなくてもネットに接続できる  一般社団法人無線LANビジネス推進連…
    2. ■水素・アンモニア利活用拡大を見据えシステムの早期実用化を目指す  三菱重工業<7011>(…
    3. ■小型CO2回収装置「CO2MPACT」を活用し、ハイデルベルク・マテリアルズ社と協働  三…
    2023年10月
    « 9月    
     1
    2345678
    9101112131415
    16171819202122
    23242526272829
    3031  
    IRインタビュー 一覧

    テンポイノベーション・原康雄社長 JPホールディングス・古川浩一郎社長に聞く Eストアーの石村賢一社長に聞く アイビーシーの加藤裕之社長に聞く ピクスタの古俣大介社長に聞く メディカル・データ・ビジョンの岩崎博之社長に聞く ヨコレイの西山敏彦社長に展望を聞く 平山の平山善一社長に近況と展望を聞く アンジェス MGの山田 英社長に聞く CRI・ミドルウェアの押見正雄社長に聞く 京写の児嶋一登社長に聞く

    アーカイブ

    「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
    また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
    ページ上部へ戻る