【注目銘柄】ハルメクは連続2ケタ増益業績を見直して割安直近IPO株買いが続く

■上場来安値からの底上げ幅拡大

 ハルメクホールディングス<7119>(東証グロース)は、今年6月2日につけた上場来安値1544円からの底上げ幅を拡大させている。同社株は、今年3月23日に新規株式公開(IPO)され、IPO後の初決算として3月期業績を今年5月15日に発表しており、前2023年3月期業績が、IPO時予想をやや上ぶれて着地し、今2024年3月期業績も、2ケタの増収増益を見込んだことを見直して直近IPO株買いが再燃した。投資採算的にも、PER12.3倍と東証グルース市場の低PERランキングの第55位と上位にランクインしていることから割安修正期待を高めている。

■『ハルメク』の定期購読者47万人、「ハルメク365」ユーザーの230万人が業績押し上げ

 今2024年3月期業績は、売上収益320億円(前期比11.4%増)、営業利益22億5000万円(同10.8%増)、税引前利益21億円(同12.7%増)、純利益14億円(同12.2%増)と予想されている。同社は、「50代からの女性がよりよく生きられることを応援します」を経営理念に、シニア女性向けに雑誌『ハルメク』や動画や講座の配信サービス「ハルメク365」を提供する情報コンテンツ事業と、カタログやEC、店舗によりオリジナル商品を開発・販売する物販事業を主力事業としている。年間購読料6960円の『ハルメク』の定期購読者は、前期末で47万人、「ハルメク365」の月間ページビュー(PV)は、511万回、月間平均アクティブユーザーは230万人に達しており、このコアのファンによる継続需要などが業績押し上げ要因となってきた。

 今期は、さらに『ハルメク』拡大のためのテレビ・新聞広告などの販促費、事業拡大に向けての新規人材獲得の人件費、基幹システムのバージョンアップなどの先行投資を行い、さらに原材料上昇による紙・印刷費などのコスト上昇を見込んでいるが、増収効果によりカバーして連続の2ケタ増益となる。

■グロース市場の低PER順位55位と割安で公開価格奪回から上昇に弾み

 株価は、公開価格1720円でIPOされ1981円で初値をつけ即ストップ高し、翌日のストップ高を交えて上場来高値3020円まで買い進まれる高人気となった。同高値からは下値を探る展開が続き、一時、公開価格近辺で下げ渋る動きもみせたが、相場全般がグロース株買い・バリュー株売りを強めるなか、上場来安値1544円まで調整し、底上げを窺ってきた。PERは、12.3倍と東証グロース市場の低PERランキングの第55位にランクインするなど割安であり、まず公開価格1720円を奪回し、弾みをつけて最高値から最安値への調整幅の3分の1戻しとなる2000円台復帰に動こう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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