【アナリスト水田雅展の銘柄分析】スターティアは地合い悪化で売られ過ぎ感、16年3月期大幅営業増益予想を見直し

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

 スターティア<3393>(東1)は電子ブック作成ソフト開発・販売やITインフラソリューションなどを展開している。株価は地合い悪化の影響で急落したが売られ過ぎ感を強めている。16年3月期大幅営業増益予想を見直して切り返す展開だろう。なお10月1日付で1株を2株に分割する。

■電子ブック作成ソフトやITインフラソリューションなどを展開

 オフィスのインターネット関連トータルソリューションカンパニーとして、電子ブック作成ソフト「ActiBook」やWebアプリケーションを開発・販売するウェブソリューション(WS)関連事業、ネットワークアウトソーシング環境やクラウドサービスを提供するネットワークソリューション(NS)関連事業、ビジネスホンやMFP(複合機)などOA機器を販売するビジネスソリューション(BS)関連事業、その他事業(16年3月期から開始したコーポレートベンチャーキャピタル事業)を展開している。

 主力の電子ブック作成ソフト「ActiBook」は、一つのソフトでマルチデバイスへの書き出しが可能な「ワンオーサリングマルチデバイス」を実現し、拠点間で利用可能なSaaS型サービスを提供している。導入実績は15年6月末現在で2438社に達している。15年3月には、KADOKAWA アスキー・メディアワークスが提供する本格派オトナ女子をターゲットとする「コミック イット」に閲覧ソフトとして採用された。

 大手との競合が少ない従業員300人未満の中堅・中小企業(全国555万社)をターゲットとして、ITインフラのワンストップソリューションを提供するとともに、ストック型収益の拡大を推進している。アジア市場へも本格的に事業展開する方針だ。無借金経営であり財務面の健全性の高さも特徴だ。

■M&A・アライアンス戦略も積極推進

 業容拡大に向けてM&A・アライアンス戦略も積極推進している。14年8月にはホスティングサービス運用や独自ハードウェア開発のエーティーワークスと資本業務提携(17年3月末までに株式25%取得予定)し、個人・法人向けPCトラブル訪問サービスの日本PCサービス<6025>と業務提携した。

 14年11月には回線敷設代行業務や一括請求サービスを展開する子会社クロスチェックを設立し、サービス販路開拓に向けてリボルバーと資本業務提携した。14年12月にはシステムインテグレーションのネクストイットの技術本部の一部事業(常駐派遣事業など)および技術者21名を承継した。

 15年3月にはオウンドメディア構築事業のリボルバーとの資本業務提携の一環として、企業が低価格で簡単にオウンドメディアを発刊できる企業向けWEBマーケティング戦略支援サービスを開始した。オウンドメディアは企業自らの情報公開や大量コンテンツ配信が可能となるため、マスメディア、ソーシャルメディアに続く第三のメディアとして、企業のマーケティングやブランディングへの応用が期待されている。

 15年5月には、東京・横浜・大阪に40拠点以上のレンタルオフィスを提供するアセットデザインと業務提携した。同社はレンタルオフィスへの新規入居者に対して当社の法人向けオンラインストレージを無料で提供する。両社の事業を組み合わせることで、起業家の支援および事業シナジーを生み出す狙いだ。

 15年7月には中堅・中小企業を対象として、マイナンバー対策に役立つセキュリティ機能がセットになったファイルサーバーの提供を開始した。またインターネット接続サービス(ISP)「Tialink(ティアリンク)」の提供を開始した。NTT東日本・西日本が事業者向けに提供する光コラボレーションモデルの光回線「スターティア光」とセットにしたインターネット接続プランを提供する。

■16年3月期は大幅営業増益予想

 15年3月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月~6月)19億11百万円、第2四半期(7月~9月)21億34百万円、第3四半期(10月~12月)20億21百万円、第4四半期(1月~3月)26億16百万円、営業利益は第1四半期6百万円、第2四半期2億47百万円、第3四半期42百万円、第4四半期4億52百万円だった。第2四半期および第4四半期の構成比が高い収益構造である。

 また15年3月期の配当性向は17.2%だった。ROEは14年3月期比2.7ポイント上昇して15.9%、自己資本比率は同2.6ポイント上昇して70.2%となった。

 7月31日に発表した今期(16年3月期)第1四半期(4月~6月)連結業績は売上高が前年同期比17.9%増の22億53百万円、営業利益が1億07百万円の赤字(前年同期は6百万円の黒字)、経常利益が85百万円の赤字(同18百万円の黒字)、純利益が80百万円の赤字(同38百万円の黒字)だった。

 先行投資負担などで赤字だが、期初計画(売上高19億69百万円、経常利益1億37百万円の赤字)を上回った。WS事業ではO2O商材のAppGooseが計画より前倒しで第1四半期から販売可能となったことも寄与した。NS事業ではマイナンバー対応企業が徐々に出始めたことなどでネットワーク構築案件が好調に推移した。BS事業ではMFPが好調でスターティア光の売上計上方法変更も寄与した。営業外での持分法投資利益増加や為替差損益改善も寄与した。

 セグメント別に見ると、WS事業は売上高が同12.7%増の4億52百万円、営業利益(全社費用等調整前)が10百万円の赤字(同0百万円)、NS事業は売上高が同23.9%増の5億99百万円、営業利益が同48.9%減の24百万円、BS事業は売上高が同17.1%増の12億01百万円、営業利益が95百万円の赤字(同33百万円の赤字)だった。なおストック売上高は同21.5%増の8億36百万円で、ストック売上比率は同1.1ポイント上昇して37.1%となった。

 その他事業は売上高がなく、営業利益が8百万円の赤字だった。コーポレートベンチャーキャピタル事業では、15年6月に勉強ノートまとめ共有アプリ「Clear(クリア)」を開発・運営しているアルクテラスにリードベンチャーとして出資した。

 通期の連結業績予想は前回予想(5月8日公表)を据え置いて、売上高が前期比15.2%増の100億円、営業利益が同51.8%増の11億34百万円、経常利益が同29.2%増の11億34百万円、純利益が同4.2%減の5億67百万円としている。

 配当予想については7月31日に修正し、15年10月1日付の株式2分割に伴って第2四半期末6円、期末5円50銭とした。期末5円50銭を株式2分割前に換算すると年間17円となり、前回予想(5月8日公表)から実質的に変更はない。予想配当性向は15.3%となる。なお前期の年間17円(第2四半期末6円、期末11円)に対しては実質的に3円減配となる。

 新卒70名の採用、ホスティングサービスにおけるセキュリティ強化、アジア地域への事業展開など、中期成長に向けた大規模な先行投資を継続するが、ストック型収益の拡大、海外事業の収益均衡化などで大幅増収、大幅営業増益予想だ。スターティア光の売上計上方法変更も増収に寄与する。純利益は投資有価証券売却益や保険解約返戻金が一巡して減益見込みとしている。

 セグメント別売上高の計画は、WS事業が同23.6%増の25億23百万円、NS事業が同0.2%減の24億29百万円、BS事業が同18.5%増の49億86百万円としている。ストック売上高は同10.1%増の32億円で、ストック売上比率は同1.5ポイント低下の32.0%の計画だ。

 第1四半期は赤字だったが、期初時点で下期偏重の計画であり、現時点ではネガティブ要因とはならないだろう。通期ベースでは好業績が期待される。

■中期経営計画で17年3月期経常利益14億円目指す

 14年8月発表の「新・中期3ヵ年利益計画」では、連結経常利益の目標値として15年3月期8億66百万円、16年3月期11億34百万円、17年3月期14億円を掲げた。

 初年度15年3月期の実績経常利益は8億78百万円で計画を達成した。2年目16年3月期は新サービス投入による経常利益成長段階に入り、ホスティングなどの先行投資を継続しながら、海外事業を含めて収益回収段階に入るとしている。規模拡大や継続的成長に向けてM&A・アライアンス戦略も積極推進する。中期的に収益拡大基調だろう。

■株価は地合い悪化の影響を受けたが売られ過ぎ感

 なお7月31日に株式分割を発表した。15年9月30日を基準日(効力発生日15年10月1日)として1株を2株に分割する。

 株価の動きを見ると、急伸した7月23日の年初来高値2233円から利益確定売りで反落し、概ね2000円近辺でモミ合う展開だったが、足元の地合い悪化の影響を受けて急落し、8月25日は1458円まで調整する場面があった。終値では1566円まで戻したが売られ過ぎ感を強めている。

 8月25日の終値1566円を指標面(15年10月1日付株式2分割前)で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS111円24銭で算出)は14倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間17円で算出)は1.1%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS779円80銭で算出)は2.0倍近辺である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線に対するマイナス乖離率が20%を超えて売られ過ぎ感を務めている。また週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込み、以前の1500円~1800円近辺のボックスレンジ下限まで回帰した形だ。16年3月期大幅営業増益予想を見直してレンジ下限から切り返す展開だろう。

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