■文脈やトーンに対応した自動翻訳が実現
メタリアル<6182>(東証グロース)の子会社のロゼッタは8日、同社が開発・運営する自動翻訳サービス「T-4OO」に、先端のLLM(大規模言語モデル)をベースとした全く新たな翻訳エンジンを追加実装することを決定したと発表。NMT技術を用いた従来の翻訳モデルに比べ、より文章全体の文脈に即した翻訳に適しており、これらのエンジンが共存することで両者のメリットを活かしつつ更に効率的な翻訳環境を実現する。
■T-4OO(高精度AI自動翻訳)
「T-4OO」は、プロ翻訳者レベルの正確さを実現するロゼッタの高精度AI自動翻訳です。(翻訳精度は、人目評価による同社比の指標)同社が独自に構築した2000分野の専門DB(データベース)とユーザーが保有する文書DBを組み合わせることで、カスタマイズされた高精度の自動翻訳を提供。機密情報を含む企業内文書の翻訳に際してセキュアな環境を提供し、情報漏洩等のセキュリティリスクにも対応している。
■LLMによる翻訳エンジン
LLM(大規模言語モデル)とは、これまでの自然言語処理モデルに対して巨大なデータセットによってトレーニングされた言語モデルを指す。これらの生成系AIは非常に幅広い領域のコンテンツを学習元としているため、翻訳専用にチューニングされた従来のNMT(ニューラル機械翻訳)モデルと比較しても高い精度の翻訳が可能であることが知られており、特に前後の文脈やトーン(語調・書き振り)を踏まえた文章の出力が強みとされている。
自動翻訳「T-4OO」は現在、ディープラーニングを利用したNMT翻訳エンジンを採用することで高精度かつ高速の自動翻訳を提供しているが、生成AIに基づく新たなエンジンを併用することで、更に深く文意を推測しながら訳文の作成・推敲が可能となる。専門翻訳に特化した「T-4OO」の分野選択・用語統一といった機能も新エンジンで一部利用可能となるほか、セキュリティにおいても、外部接続可否の制御によりこれまで同様安心して使用できる。
■今後の予定について
新エンジンの実装は2023年夏頃の予定。現在「T-4OO」を利用中のユーザーは、引き続き同一ご契約内で全ての翻訳エンジンを利用できる料金体系を検討している。
■同社のビジョン
生成AIのブレイクスルーを皮切りに、世界では急激なAIシフトが起こり、日々膨大な論文投稿とその実装がなされ、その速度は指数関数的なものとなっている。すでに世界中には数多くのサービスが存在している。それらサービスに日本企業がワンストップでアクセスできる場をつくり、ビジネス環境のAI化を推進していく。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)