【注目銘柄】FCEは2Q高利益進捗率業績を手掛かりに割安リスキリング関連株買いが続く

■割安株買いが増勢

 FCE Holdings<9564>(東証スタンダード)は、今年3月14日につけた年初来安値1510円からの底上げ幅を拡大させている。今年5月12日に発表した今2023年9月期第2四半期(2022年10月~2023年3月期、2Q)累計業績が、2ケタ増益と高成長して着地し、今9月期通期予想業績に対して高利益進捗率を示したことを手掛かりに、リスキリング(学び直し)関連の割安株買いが増勢となった。テクニカル的にも、年初来安値からの底上げ途上で25日移動平均線が、75日移動平均線を上抜くゴールデンクロス(GC)を示現して上昇トレンド転換を示唆しているとしてサポート材料視されている。

■DX推進事業でも教育研修事業でも導入企業が続伸し2Q利益進捗率は70%超

 同社の今期2Q累計業績は、売り上げ21億2400万円(前年同期比9.4%増)、営業利益4億1200万円(同21.3%増)、経常利益3億9700万円(同15.2%増)、純利益2億6100万円(同18.9%増)と大幅続伸し、今9月期通期予想業績に対する利益進捗率は、70%~71%と目安の50%をオーバーした。DX推進事業では、RPA(ロボットによる業務自動化)の同社製品「Robo-Pat DX」が、「ロボパットマスター認定プログラム」の受講者を継続的に増加させて、2023年3月末で導入企業が、前年同月の938社から1107社へ拡大し、売り上げが11億800万円、セグメント利益が2億円となった。また教育研修事業では、eラーニング市場の成長とともに同社のクラウド型オンボードサポートサービスの「Smart Boarding」の導入企業が、同じく371社から514社に拡大し、売り上げが10億3100万円、セグメント利益が1億6300万円となったことなどが寄与した。

 今9月期通期業績は、期初予想を据え置き売り上げ40億5900万円(前期比8.1%増)、営業利益5億7800万円(同27.3%増)、経常利益5億6000万円(同23.3%増)、純利益3億7000万円(同23.7%増)と見込み、純利益は連続して過去最高を更新する。ただ今回の2Q累計業績の高利益進捗率は、とくに後半3カ月(2023年1月~3月期)の増収増益率がより高くなっており、さらに岸田内閣が策定中の「骨太の方針」の労働市場改革で、リスキリングへの政策支援も期待できるだけに、通期予想業績の上ぶれ期待につながっている。

■GC示現でPER12倍の割安修正を加速させ年初来高値にキャッチアップ

 株価は、昨年10月27日に公開価格1560円で新規株式公開(IPO)され2060円で初値をつけ上場来高値2179円まで買い進まれる高人気となったが、高人気の反動で上場来安値1430円まで売られた。同安値は、公開価格割れで売られ過ぎとして底上げし、今期の連続過去最高更新予想業績やリスキリング関連の政策支援などを追い風に年初来高値1958円まで買い直された。この後、今期第1四半期業績をやや嫌気して年初来安値1510円まで再調整したが、今期2Q好決算や税理士特化型の「Robo-Pat DX」展開などを手掛かりに1600円台を回復し、25日線が75日線を上抜くGCを示現して上昇トレンド転換を示唆した。PERは12.2倍となお割安であり、まず年初来高値にキャッチアップしよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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