ベステラは24年1月期1Q赤字だが計画水準、受注残高が過去最高で通期黒字転換予想据え置き

(決算速報)
 ベステラ<1433>(東証プライム)は6月9日の取引時間終了後に24年1月期第1四半期連結業績を発表した。前期に受注した一部の低利益工事が利益押し下げ要因となって赤字だが、概ね計画水準だった。そして通期の大幅増収・黒字転換予想を据え置いている。第1四半期は赤字だったが、受注は過去の年単位の受注額を上回り、受注残高は過去最高額となっている。老朽化プラント解体工事の増加などで中期的に事業環境は良好であり、積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。株価は安値圏だが、下値固め完了して反発の動きを強めている。目先的には第1四半期の赤字を嫌気する可能性もあるが、高水準の受注を評価して出直りを期待したい。

■24年1月期1Q赤字だが計画水準、通期黒字転換予想据え置き

 24年1月期第1四半期の連結業績は売上高が前年同期比8.6%減の15億37百万円、営業利益が35百万円の赤字(前年同期は1億96百万円の黒字)、経常利益が37百万円の赤字(同1億97百万円の黒字)、親会社株主帰属四半期純利益が31百万円の赤字(同1億09百万円の黒字)だった。前期に受注した一部の低利益工事が利益押し下げ要因となって赤字だが、概ね計画水準だった。

 プラント解体事業の完成工事高は9.0%減の14億75百万円だった。製鉄所の高炉改修に伴う継続的な工事の受注や、石油化学業界での大型元請工事の進捗で概ね堅調だった。業界別の構成比は電力が11%、製鉄が31%、石油・石化が43%、環境が7%、ガスが4%、3Dが2%、その他が2%(前年同期は電力が9%、製鉄が25%、石油・石化が33%、環境が19%、ガスが2%、3Dが2%、その他が10%)だった。完成工事高のうち、元請工事の金額は4億19百万円で元請比率は17.2%(同4億13百万円で33.9%)だった。

 受注高は4.4倍の74億27百万円となり、過去の年単位の受注額をすでに第1四半期で上回った。そして第1四半期末時点の受注残高は過去最高の93億03百万円となった。なお受注残高の業界別構成比は、電力が17%、製鉄が49%、石油・石化が32%、環境が2%(前年同期は電力が27%、製鉄が20%、石油・石化が30%、ガスが7%、環境が6%、その他が10%)となっている。

 なお、その他事業(人材サービス事業など)の売上高は4.0%増の62百万円だった。

 通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が23年1月期比42.9%増の78億円、営業利益が5億10百万円の黒字(23年1月期は2億15百万円の赤字)、経常利益が5億86百万円の黒字(同94百万円の赤字)、親会社株主帰属当期純利益が4億円の黒字(同64百万円の赤字)としている。配当予想は、23年1月期と同額の20円(第2四半期末10円、期末10円)としている。予想配当性向は44.3%となる。

 堅調な受注見込案件の状況を踏まえて大幅増収・黒字予想としている。第1四半期は赤字だったが、受注は過去の年単位の受注額を上回り、受注残高は過去最高額となっている。老朽化プラント解体工事の増加などで中期的に事業環境は良好であり、積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。

■株価は反発の動き

 株価は安値圏だが、下値固め完了して反発の動きを強めている。週足チャートで見ると、抵抗線となっていた26週移動平均線を突破した。目先的には第1四半期の赤字を嫌気する可能性もあるが、高水準の受注を評価して出直りを期待したい。6月9日の終値は959円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS45円14銭で算出)は約21倍、今期予想配当利回り(会社予想の20円で算出)は約2.1%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS493円97銭で算出)は約1.9倍、そして時価総額は約86億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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