【編集長の視点】ビズメイツは1Q業績を織り込み割安リスキリング株買いが拡大

■骨太の方針で上昇余地

 ビズメイツ<9345>(東証グロース)は、今年5月29日に売られた上場来安値2260円からの底上げ幅を拡大させている。同社株は、今年3月30日に新規株式公開(IPO)され、IPO後の初決算となる今2023年12月期第1四半期(2023年1月~3月期、1Q)業績を5月15日に発表しており、1Q業績が今12月期通期予想業績に対して低利益進捗率にとどまったことが響いて上場来安値まで調整した。ただ1Q営業利益は、計画より上ぶれて着地し、12月期通期業績も下期偏重型で業績推移しIPO時予想に変更がないことから売られ過ぎ修正買いが増勢となった。また岸田内閣が、6月16日に閣議決定する「骨太の方針」(経済財政運営と改革の基本方針)の労働市場改革で、リスキリング(学び直し)支援策に語学学習が大きな柱として位置付けられ、同社のオンラインビジネス英会話「Bizmates」事業の追い風になることも、関連株人気を高めている。

■サブスクリプション型ビジネスモデルで4Qに向け利益積み上げ

 同社の今12月期1Q業績は、売り上げ7億4300万円、営業利益6600万円、経常利益5200万円、純利益3000万円で着地した。四半期決算が初作成となるため前年同期比較はないが、今12月期通期予想業績に対する進捗率は、売り上げが22.1%、営業利益が18.0%、経常利益が15.4%、純利益が13.0%とやや低調となった。しかし「Bizmates」を展開するランゲージソリューション事業は、一般家庭の高速通信環境の普及やオンライン語学学習の認知拡大により法人向けも含めて市場ニーズが高まっており、同事業の売り上げは7億2500万円、営業利益は2億4600万円と好調に推移し、1Q全体の営業利益も期初計画を1600万円上回った。

 同社のビジネスモデルは、個人向けのサブスクリプション型のために売り上げ、営業利益とも第4四半期(4Q)に向け積み上がり、営業利益は第2四半期5000万円、第3四半期1億2600万円、第4四半期1億4400万円と想定しているため今2023年12月期通期業績は、IPO時予想に変更はない。売り上げ33億5500万円(前期比18.3%増)、営業利益3億7100万円(同8.0%増)、経常利益3億4000万円(同3.7%増)、純利益2億3400万円(同4.0%増)と続伸を見込んでいるもので、むしろ岸田内閣のリスキリング支援政策を受け上ぶれ着地期待も高まってくる。

■PER17倍の修正に「骨太の方針」の追い風を受けまず公開価格奪回

 株価は、公開価格3250円でIPOされ5310円で初値をつけ上場来高値5760円まで買い進まれる高人気となった。その後は、公開価格を試す下値調整となり、今期1Qの低進捗率業績が響いてストップ安を交えて上場来安値2260円まで再調整した。同安値からはPER14倍は売られ過ぎとして底上げ、今期1Q業績見直しにリスキリング関連株人気も加わり、リバウンド幅を拡大させた。足元のPER評価は、なお17.26倍と東証グロース市場の全銘柄平均69.98倍を大きく下回って割り負けており、「骨太の方針」の政策支援を受け一段の底上げからまず公開価格奪回に動こう。(情報提供:日本インタビュ新聞・株式投資情報編集長=浅妻昭治)

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