【銘柄診断】ISIDは1Q高利益進捗率業績・通期連続過去最高純益に押し目買い妙味

銘柄診断

■新指数「JPXプライム150」構成銘柄にも選出

 電通国際情報サービス(ISID)<4812>(東証プライム)は、今年6月7日に株式分割の権利落ち後高値5450円まで買い進まれており、14日の前場取引時間中には、5430円とその高値に迫る場面があっただけに、目先の利益を確定する売り物が出た。ただ、今年4月27日に発表した今2023年12月期第1四半期(2023年1月~3月期、1Q)業績が、続伸して着地し、今12月期第2四半期(2023年1月~6月期、2Q)累計予想業績に対して高利益進捗率を示したことを手掛かりに今12月期通期予想純利益が、連続して過去最高更新と見込まれていることが見直され、押し目買いが再燃する展開も見込まれる。株式需給的にも、東証が、前週末9日に新たに算出する「JPXプライム150指数」の構成銘柄に同社株を選定したと発表したことで、内外の機関投資家の買い増しが期待できるとして押し上げ効果を発揮しよう。

■受注、受注残とも好調に推移し4つのセグメントがすべて増収

 同社の今12月期1Q業績は、売り上げ347億7900万円(前年同期比16.0%増)、営業利益56億7600万円(同8.4%増)、経常利益57億8100万円(同8.4%増)、純利益38億3700万円(同4.8%減)となった。1Q受注が、447億8300万円(同5.9%増)、1Q期末の受注残高が616億5200万円(同17.6%増)と順調に推移し、4つのセグメントがすべて増収となり、金融ソリューション事業の売り上げが73億1500万円(同8.4%増)、ビジネスソリューション事業では50億7400万円(同36.0%増)、製造ソリューション事業は101億5500万円(同16.0%増)、コミュニケーションIT事業は116億9300万円(同2.3%増)となり、営業利益は、とくにビジネスソリューション事業が同38.0%増と伸びたことが要因となった。純利益は、投資有価証券評価損を計上して小幅減益となったが、これを含めても1Q業績の2Q累計予想業績に対する利益進捗率は、57%~59%と目安の50%を上回った。

 今12月期通期業績は、期初予想に変更はなく売り上げ1370億円(前期比6.2%増)、営業利益200億円(同7.0%増)、経常利益200億円(同9.0%増)、純利益140億円(同11.1%増)と見込み、純利益は連続して過去最高を更新し、配当も年間88円(前期実績78円)へ連続増配を予定している。前期業績は、期初予想が2回も上方修正され配当も増配されており、再現期待が底流する。なお「JPXプライム150指数」は、今年5月26日を基準日に7月3日から算出・配信される予定となっている。

■2020年12月の株式分割の権利付き最終株価への権利落ち埋めを意識

 株価は、今年1月に突っ込んだ年初来安値3765円から前期業績の再上方修正で4330円へリバウンドし、今期業績の連続過去最高更新予想で5270円と上値を伸ばし、足元では2020年12月31日を基準日に実施した株式分割(1株を2株に分割)の権利落ち後高値5450円まで買い進まれている。テニカル的にも2020年12月の権利付き最終株価6310円を視界に捉えており、次の上値目標はこの権利落ち埋めが意識されそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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