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ソフトクリエイトホールディングスは戻り試す、24年3月期増収増益予想で収益拡大基調
- 2023/6/15 10:37
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
ソフトクリエイトホールディングス<3371>(東証プライム)はECソリューション事業とITソリューション事業を展開し、成長戦略としてクラウドサービス拡大を推進している。24年3月期も増収増益で4期連続増配予想(23年4月1日付株式2分割遡及修正後)としている。引き続きECソリューション事業、ITソリューション事業とも伸長し、人件費の増加などを吸収する見込みだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は上値を切り下げる形だったが調整一巡し、5月の直近安値圏から切り返して反発の動きを強めている。戻りを試す展開を期待したい。
■ECソリューション事業とITソリューション事業を展開
ITソリューションサービスを展開する持株会社である。セグメント区分はECソリューション事業およびITソリューション事業としている。
23年3月期のセグメント別業績は、ECソリューション事業の売上高(外部顧客への売上高)が22年3月期比14.9%増の133億18百万円で経常利益(全社費用等調整前)が7.8%増の33億65百万円、ITソリューション事業の売上高が13.4%増の109億34百万円で経常利益が9.1%増の26億19百万円だった。売上高の内訳は、ECソリューション事業のECサイト構築ecbeingが16.8%増の93億円、デジタルマーケティングが2.4%増の28億円、クラウドサービスが36.2%増の12億円、ITソリューション事業のセキュリティ・インフラ構築が19.1%増の55億円、パッケージが0.6%減の17億円、ITクラウドが16.3%増の19億円、IT機器販売が9.8%増の18億円だった。
ECソリューション事業は、連結子会社ecbeingのECサイト構築パッケージ「ecbeing」の販売・保守・ホスティングサービスが主力である。ECサイト構築からマーケティング支援やデータ分析までワンストップで対応していることが強みとして、中~大規模顧客向けを中心に国内ECサイト累計構築実績は1500を突破している。市場シェアは14年連続1位(出典:富士キメラ総研「2021年ECサイト構築パッケージソリューション市場占有率調査」で市場シェア43.6%)である。22年3月には「ecbeing」の20年の年間流通総額が6000億円を突破した。国内ECサイト構築業者としてNO.1の流通額である。
22年2月には連結子会社のecbeingが、海外市場向けマーケティング事業・越境EC支援事業を展開するクロスシーの第三者割当増資を引き受けて資本業務提携した。システム面での連携を強化し、より付加価値の高い中国市場向けソーシャル越境EC事業の実現を目指す。22年11月にはecbeingが、レビューマーケティングプラットフォーム「ReviCo」を展開する新会社ReviCoを設立した。
ITソリューション事業は、自社開発サービス「SCクラウド」、不正アクセス端末検知・遮断システム「L2Blocker」、連結子会社エイトレッド<3969>が展開するワークフローシステム(パッケージ型「AgileWorks」、クラウド型「X-point Cloud」)、連結子会社ソフトクリエイトのシステムインテグレーション・IT機器販売を主力としている。
連結子会社エイトレッドのワークフローシステムのシリーズ累計導入社数は22年10月に4000社を突破した。そしてクラウド型「X-point Cloud」は、複数の市場調査レポートでワークフロー市場における出荷金額・売上金額実績シェア1位を獲得している。23年3月にはテクノ・システム・リサーチの2022年SaaSワークフロー市場データにおいて、従業員数別メーカーシェア100人未満カテゴリーおよび100人以上1000人未満カテゴリー、売上高別メーカーシェア100億円未満カテゴリーおよび100億円以上1000億円未満カテゴリーでシェアNO.1を獲得した。
成長戦略として、クラウドサービス(ECクラウドサービス「メルカート」、ビジュアルマーケティング「visumo」、レビュー最適化ツール「Revico」、「サイトミライズ」、オムニチャネル分析ツール「Sechstant」など)の拡販にも注力している。22年11月には新製品としてPC情報管理クラウドサービス「Survey Eyes」を開発・発売開始した。
■24年3月期も増収増益予想で収益拡大基調
24年3月期の連結業績予想は、売上高が23年3月期比11.3%増の270億円、営業利益が12.2%増の48億50百万円、経常利益が11.4%増の50億円、親会社株主帰属当期純利益が7.7%増の29億50百万円としている。配当予想は30円(第2四半期末15円、期末15円)としている。23年4月1日付株式2分割を遡及修正後で比較すると、23年3月期の25円に対して5円増配(4期連続増配)となる。予想配当性向は25.5%である。
引き続きECソリューション事業、ITソリューション事業とも伸長し、人件費の増加などを吸収する見込みだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。
■株主優待制度は3月末と9月末の年2回
株主優待制度は毎年3月31日および9月30日現在の1単元(100株)以上保有株主(長期保有優待の基準日は毎年3月末)に対して、保有株式数および保有期間に応じてQUOカードを贈呈している。なお株式2分割(基準日23年3月31日、効力発生日23年4月1日)に伴って、株主優待を23年9月末対象から増額(詳細は会社HP参照)する。
■株価は戻り試す
株価(23年4月1日付で株式2分割)は、上値を切り下げる形だったが調整一巡し、5月の直近安値圏から切り返して反発の動きを強めている。戻りを試す展開を期待したい。6月14日の終値は1717円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS117円74銭で算出)は約15倍、今期予想配当利回り(会社予想の30円で算出)は約1.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS600円51銭で算出)は約2.9倍、そして時価総額は約473億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)