日本初!東京ガスは廃熱回収装置内蔵水素バーナを開発、アルミ製造等の高温熱分野の脱炭素化に貢献
- 2023/7/5 16:40
- プレスリリース
東京瓦斯<9531>(東証プライム)、東京ガスエンジニアリングソリューションズ(TGES)、正英製作所は5日、日本で初めて*1水素燃焼が可能な廃熱回収装置内蔵水素バーナ*2を開発したと発表。
従来の廃熱回収装置内蔵の天然ガスバーナは、燃焼用空気を排ガスで予熱することで、燃料使用量を約30%*3削減可能で、アルミ・非鉄金属加工*4、自動車・自動車部品製造、鉄鋼製造等、高温熱を必要とする様々な製造工程で利用されている。同バーナは、その廃熱回収装置内蔵バーナの水素専焼を実現し、燃焼時のCO2排出量をゼロにすることで、高温熱分野の脱炭素化に貢献する。なお、正英製作所が、2023年10月から販売を予定している。
水素は燃焼時にCO2が発生しないため、脱炭素社会実現に向けた有望な選択肢の一つ。一方で、天然ガスと比べて燃焼速度が速く、火炎温度が高い等の特徴があり、燃焼時に多くのNOxが生成されるという課題がある。
同バーナは、東京ガスとTGESが天然ガスバーナで培った燃焼技術と、正英製作所の廃熱回収装置内蔵バーナ開発の知見により、バーナ内部のノズルを最適化することで、課題であった低NOxと安定燃焼の両立を実現した。東京ガスの実験場で天然ガスバーナより低いNOx値19.4ppm(酸素=11%換算値、水素専焼)を達成している。
【バーナの特長】
1.水素専焼により燃焼時のCO2排出量ゼロ
CO2が発生しない水素を燃料とすることで、燃焼時のCO2排出量ゼロを実現。
2.高効率・低コスト・コンパクト
バーナ本体で廃熱回収が可能な構造となっているため、外部に熱交換器等を設置する必要が無く、低コストかつコンパクトでありながら高効率な燃焼システムが構築できる。
3.低NOxと安定燃焼の両立
従来の天然ガスバーナに比べさらなる低NOx化を実現。東京ガス、TGESが天然ガスバーナの低NOx化で培った燃焼技術を応用して、バーナ内部のノズルを最適化、低NOxと安定燃焼を両立している。
4.既設バーナ部品を交換するだけで水素燃焼が可能
同バーナは、既設のバーナ本体を活かしながら部品を交換するだけで水素燃焼が可能なため、最小限の設備改造で導入が可能*5。
5.天然ガス専焼も可能
同バーナは水素専焼だけでなく天然ガス専焼も可能。
(参考:東京ガスグループの水素バーナ開発状況)
*1:TGES調べ(2023年6月現在)。
*2:バーナ本体に熱交換器を搭載し、排ガスの熱と燃焼空気を熱交換することで高効率な燃焼を実現するバーナ。
*3:アルミの溶解・保持炉で天然ガス専焼の場合。
*4:アルミ・非鉄金属製品の溶解・保持炉、取鍋(溶解した金属である溶湯を運んだり鋳込みを行ったりする容器)加熱炉、熱処理炉等で使用。
*5:供給ユニット、安全装置、着火消火シーケンス等は追加・変更が必要となります。
*6:水素燃焼式熱風発生バーナの開発(2023年3月23日発表)
*7:世界初!アスファルトプラント用水素専焼バーナの開発(2023年3月23日発表)
*8:世界初!水素燃焼式リチウムイオン電池電極材用連続焼成炉の開発について(2021年11月4日発表)
*9:燃焼空気ブロワやガス遮断弁などの制御機器まで含めてパッケージング化したバーナ。
*10:蓄熱体を搭載し、高温での熱回収を行う高効率バーナ。
(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)