世界経済1~3位国の株価が短期2ケタ急落はミクロよりマクロに最大の関心=犬丸正寛の相場展望

犬丸正寛

■足元好調の米国NYダウは暴落前水準奪回は見込めそう

犬丸正寛の相場展望 大荒れの相場である。震源地の中国の上海総合指数は直近高値の8月17日の3393ポイントから8月26日の2927ポイントまで短期間に466ポイント下落(13.7%)した。

連れて、NYダウは7月20日のチャート上の山となっていた1万8137ドルから8月24日の1万5370ドルまで2767ドル下落(15.2%)、日経平均も8月11日のダブルトップとなった2万0946円から26日の1万7714円(いずれも場中値)まで3232円下落(15.4%)した。

世界経済規模1位、2位、3位の主要国の株価指数がそろって2ケタの急落という姿である。

背景は、企業業績などの、「ミクロ要因」ではなく、大手3カ国の経済・景気がどうなるかという、「マクロ」の問題である。「企業業績が好いのになぜ下げるんだ」という声も聞かれるが、リーマンショック後の景気回復で、アメリカ、日本とも企業業績が好いのは、既に、「当たり前」のことであり、今更、驚くことではなく、それ以上に景気がどうなるかが最重要問題となっているかだ。

中国はオリンピックと万博で伸び切った経済が下降に向かっている。6年以上におよぶ上昇拡大をつづけた米国景気は高原状態に入っている。日本はアベノミクスで急回復した景気がここに来て今年4~6月のGDPが年率でマイナス1.6%となるなど芳しくない状況だ。

このため、今は好調な企業業績よりも企業業績の前提となる景気の先行きに関心が寄せれることは当然である。幸い、米国の4~6月GDPがプラス2.3%から3.7%へ上方されたことで米国景気の良さが見直されNYダウから急反発に転じている。

この先もミクロよりマクロの動向が注目されることに変わりはない。目先,小康状態の中国は依然、先行きは楽観できない。こうした中で、仮に米国が利上げに進めば、利上げ後の景気は持ちこたえられるだろうか、という不安もある。日本といえば、安保関連法案優先で経済・景気には目が向いているとはいえない状況である。日本のGDPは7~9月には回復するとの観測もあるが、現実は鵜呑みにできない景気状況である。

4~6月の企業業績が好調だったことから、9月の中間決算発表時点において2016年3月期の上方修正期待は強いが、世界経済の現状を考えると、上方修正は後退する可能性を含んでいる。この点においても、マクロが重要視されるところである。

米・中・日の大手3カ国中、もっとも景気のよい米国のNYダウは3カ国の中では最も強い反発となることが予想される。引っ張られる形で日本、中国も反発の上値を伸ばすものとみられる。とくに、景気好調の米国のNYダウは暴落前の水準が理屈の上では見込めるところだ。

ただ、NYダウが高値を更新して上値を追うためには、経済規模第2位の中国、第3位の日本の景気がはっきりと上向くことが求められる。暴落前水準を回復した後の相場は見通し難い。

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