【アナリスト水田雅展の銘柄分析】リミックスポイントは売り一巡だが依然として売られ過ぎ感、16年3月期増額余地で収益改善基調

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

 リミックスポイント<3825>(東マ)は電力売買事業や中古車売買事業が拡大している。第1四半期の進捗率が高水準で16年3月期業績は増額余地があり収益改善基調だ。株価は地合い悪化の影響で8月25日に254円まで急落する場面があったが、27日には349円まで戻して売り一巡感を強めている。ただし依然として売られ過ぎ感の強い水準だ。出直り展開だろう。

■電力売買事業と中古車売買事業を拡大

 エネルギー関連事業(エネルギー管理システム開発・販売、省エネルギー化支援コンサルティング、省エネルギー関連設備販売、電力売買)、および自動車関連事業(中古車査定システム開発・販売、中古車売買に関するコンサルティング、中古車売買)を展開している。

 エネルギー関連事業に関しては、13年12月に商業用施設のエネルギー消費量削減に貢献できるエネルギー管理システム「ENeSYS(エネシス)」を開発した。

 そして14年9月に特定電気事業者(PPS事業者)の日本ロジテック協同組合と省電力事業に関する業務提携契約を締結し、14年10月には発電事業者および電力卸売事業者から電力を調達して電力売買事業に参入した。

 当面は日本ロジテック協同組合に対して供給し、他のPPS事業者に対する供給も順次拡大する方針だ。16年の電力小売完全自由化によって国内16兆円程度の電力小売市場が発生すると予想されているため、電力売買事業の拡大が期待される。

 なお15年2月には、日本ロジテック協同組合の関係会社であるJLエナジー(JLE)社とエネルギー管理システム開発受託契約を締結した。日本ロジテック協同組合は組合員のための業務用・産業用電力の共同購買を行い、JLE社は電力小売事業を展開している。

 自動車関連事業は14年12月に「IES中古車買い取りサービス」を開始した。07年販売開始した当社の中古車査定システム「IES」導入企業などのネットワークを活用して中古車売買事業の拡大を推進する方針だ。

■16年3月期第1四半期は黒字化、通期予想に増額余地で収益改善基調

 15年3月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月~6月)97百万円、第2四半期(7月~9月)1億67百万円、第3四半期(10月~12月)11億05百万円、第4四半期(1月~3月)25億79百万円、営業利益は第1四半期18百万円の赤字、第2四半期14百万円、第3四半期27百万円、第4四半期1億88百万円だった。第3四半期に開始した新規事業による売上高の回復とともに、営業損益は改善基調である。

 また15年3月期の配当性向は8.9%だった。ROEは42.9%、自己資本比率は14年3月期末比24.7ポイント上昇して82.3%となった。なお15年3月期第3四半期累計(4月~12月)時点で継続企業の前提に関する疑義注記の記載を解消している。

 8月13日に発表した今期(16年3月期)第1四半期(4月~6月)の非連結業績は、売上高が31億17百万円(前年同期は97百万円)、営業利益が1億37百万円(同18百万円の赤字)、経常利益が1億26百万円(同18百万円の赤字)、純利益が1億10百万円(同18百万円の赤字)だった。前期に開始した電力売買事業および中古車売買事業が順調に推移して各利益も黒字化した。

 セグメント別動向を見ると、エネルギー関連事業は売上高が23億16百万円(同77百万円)、営業利益(全社費用等調整前)が1億63百万円(同14百万円)だった。14年10月開始した電力売買事業が順調に推移した。自動車関連事業は売上高が8億01百万円(同20百万円)、営業利益が12百万円(同3百万円の赤字)だった。14年12月開始した中古車売買事業が拡大した。

 通期の非連結業績予想は前回予想(5月18日公表)を据え置いて売上高が前期比2.5倍の100億46百万円、営業利益が同97.1%増の4億16百万円、経常利益が同2.0倍の4億13百万円、純利益が同60.9%増の3億65百万円としている。

 配当予想については、6月8日に株式5分割(8月1日付)に伴う修正を発表して年間60銭(期末一括)としている。株式5分割を考慮すると実質的に前期と同額で予想配当性向は6.2%である。

 新規事業のPPS事業者向け電力売買事業や自動車関連事業者向け中古車売買事業の収益寄与が本格化して大幅増収増益予想だ。セグメント別売上高の計画は、エネルギー関連事業が同2.3倍の72億63百万円、自動車関連事業が同3.6倍の27億83百万円としている。

 通期会社予想に対する第1四半期の進捗率は売上高が31.0%、営業利益が32.9%、経常利益が30.5%、純利益が30.1%と高水準である。増収効果で営業損益の一段の改善が期待され、通期会社予想に増額余地がありそうだ。

■株価は売り一巡して切り返し

 14年9月発行の第三者割当による第6回新株予約権の行使は15年2月に完了している。また15年3月に東日本銀行から50百万円の借り入れ、15年4月に城北信用金庫との2億円の当座貸越契約締結を発表した。電力売買事業および中古車売買事業において想定以上の需要を受けているため、電力および中古車の仕入資金に充当する。

 また7月29日に主要株主の異動を発表した。7月28日付大量保有報告書により、第2位株主のダイマジン・グローバル・リミテッドの議決権数に対する保有割合が13.13%から9.86%に低下した。大株主順位は2位で変更はない。

 株価の動き(8月1日付で株式5分割)を見ると、年初来高値圏の450円~500円近辺でモミ合う展開だったが、地合い悪化の影響を受けて8月25日に254円まで急落する場面があった。ただし27日には349円まで戻して売り一巡感を強めている。

 8月28日の終値341円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS9円72銭で算出)は35倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間60銭で算出)は0.2%近辺、前期実績PBR(前期実績に株式5分割を考慮したBPS23円33銭で算出)は15倍近辺である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線に対するマイナス乖離率が18%程度で依然として売られ過ぎ感の強い水準だ。また週足チャートで見ると26週移動平均線近辺で長い下ヒゲをつけて切り返す動きだ。サポートラインを確認した形であり、収益改善基調を評価して出直り展開だろう。

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