JSPは24年3月期1Q大幅増益、2Q累計および通期の利益予想を上方修正
- 2023/8/1 10:31
- 決算発表記事情報
(決算速報)
JSP<7942>(東証プライム)は7月31日の取引時間終了後に24年3月期第1四半期連結業績を発表した。製品価格改定も寄与して大幅増益だった。そして第2四半期累計および通期の利益予想を上方修正した。発泡ポリプロピレン「ピーブロック」の販売が好調に推移する見込みであり、北米市場において原料価格が軟化傾向にあることや、為替の円安も寄与する見込みだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は7月の年初来高値圏から利益確定売りで一旦反落したが、素早く切り返しの動きを強めている。上方修正や1倍割れの低PBRを評価して上値を試す展開を期待したい。
■24年3月期1Q大幅増益、2Q累計および通期の利益予想を上方修正
24年3月期第1四半期の連結業績は、売上高が前年同期比3.5%増の320億49百万円、営業利益が66.4%増の12億71百万円、経常利益が37.8%増の14億88百万円、親会社株主帰属四半期純利益が46.6%増の11億19百万円だった。製品価格改定も寄与して大幅増益だった。
押出事業は売上高が0.5%減の102億16百万円、営業利益(全社費用等調整前)が31.2%減の4億21百万円だった。全体として製品価格改定を進めたが、販売数量の減少、高付加価値製品の販売減少、ユーティリティコスト高騰の影響で減益だった。分野別売上状況として、生活資材製品は食品容器用「スチレンペーパー」や広告宣伝用ディスプレイ材「ミラボード」などが減少、産業資材製品は液晶パネルの生産調整の影響でフラットパネルディスプレイ用「ミラマット」などが減少した。建築土木資材製品は土木分野が減少したが、建築・住宅分野が増加した。
ビーズ事業は売上高が6.5%増の203億83百万円で営業利益が196.5%増の11億12百万円だった。全体として販売数量が減少したが、製品価格改定効果で大幅増益だった。主力の発泡ポリプロピレン「ピーブロック」を中心とする高機能材製品は、自動車や包装材などの分野で販売数量が減少したが、製品価格改定効果で売上が増加した。
その他は売上高が7.8%減の14億49百万円で営業利益が35.9%減の24百万円だった。一般包材が、国内では自動車部品輸送関連中心に増加したが、中国では各種部品関連の需要減の影響で減少した。
7月31日付で第2四半期累計および通期の利益予想を上方修正した。期初予想に対して第2四半期累計予想は営業利益を6億円、経常利益を7億円、親会社株主帰属四半期純利益を6億50百万円、通期予想は営業利益を8億円、経常利益を9億円、親会社株主帰属当期純利益を9億円、それぞれ上方修正した。
修正後の通期連結業績予想は売上高が23年3月期比2.5%増の1350億円、営業利益が89.4%増の56億円、経常利益が75.4%増の59億円、親会社株主帰属当期純利益が69.9%増の43億円としている。配当予想は据え置いて23年3月期と同額の50円(第2四半期末25円、期末25円)としている。予想配当性向は34.7%となる。
発泡ポリプロピレン「ピーブロック」の販売が好調に推移する見込みであり、北米市場においてポリプロピレンの需要低下により原料価格が軟化傾向にあることや、為替の円安も寄与する見込みだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。
■株価は上値試す
株価は7月の年初来高値圏から利益確定売りで一旦反落したが、素早く切り返しの動きを強めている。上方修正や1倍割れの低PBRを評価して上値を試す展開を期待したい。7月31日の終値は1881円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS144円26銭で算出)は約13倍、今期予想配当利回り(会社予想の50円で算出)は約2.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS3076円73銭で算出)は約0.6倍、そして時価総額は約591億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)