朝日ラバー、より実物に近い注射(穿刺)トレーニング用パッド『レベラップ』を近畿大学などと開発

■「逆血」も再現、リアル感と耐久性を兼ね備え耐久性は3倍に

 朝日ラバー<5162>(東証スタンダード)は、このほど、近畿大学生物理工学部(和歌山県紀の川市)医用工学科講師・西手芳明氏、株式会社タナック(岐阜県岐阜市)と共同で、注射(穿刺<せんし>)トレーニング用パッドを開発した。

 従来のものに比べてリアル感と耐久性を兼ね備えた新素材を用いることで、トレーニング回数を増やすことが可能となり、医療技術者の穿刺技術の向上に貢献する。

 特徴としては、(1)模擬皮膚、模擬血管材料の硬度を変化させ、ヒトの質感および血管をリアルに再現、(2)コンパクトな設計で病院や消防署での人工透析シミュレーションも容易に、(3)臨床工学技士をめざす学生がより実物に近いモデルで技術を修得し、未来の医療へ貢献、などがある。

■新開発の素材は注射回数が従来の10回に比べ30回と大幅に向上

 近畿大学と株式会社タナック、株式会社朝日ラバーは、このほど、産学連携で実践型の注射(穿刺)トレーニング用パッド『レベラップ』を開発した。穿刺から始め、針を留置しての逆血確認や輸液(薬液)注入ラインの接続、終了時の抜針まで一貫してトレーニングを行うことができる。

 従来のトレーニング用パッドは、模擬皮膚が厚く耐久性が弱いために繰り返しの練習には十分ではなく、多数のトレーニング用パッドを購入する必要があり、コスト面での課題があった。一方、今回開発した新素材は、穿刺可能回数が従来の10回に比べて30回と大幅に向上し、1回あたりの穿刺コストの削減に成功した。

 また、新開発のトレーニング用パッドでは、模擬血管に模擬血管被覆材を用いることで穿刺時のリアル感を出し、模擬血液の逆血を針先から抽出させることで、穿刺針が血管内に挿入できたかの確認ができる構造となっている。さらに、コンパクトに設計することで、病院や消防署での輸液用静脈路確保や、透析患者の特殊な血管を想定した穿刺トレーニングも行うことができる。動脈、静脈などいろいろな部位を再現でき、初級者から上級者用まで技量に合わせたカスタマイズも可能となっている。(HC)(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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