■牛個体のGHG排出量をリアルに測定、変化を分析できるソリューション開発へ
酪農デジタル・トランスフォーメーション(DX)のリーディングカンパニーのファームノートホールディングスは、明治ホールディングス<2269>(東証プライム)を引受先とする第三者割当増資により資金調達を実施したと発表。
ファームノートホールディングスは『「生きる」を、つなぐ。』をビジョンに、事業の創出を通じて社会課題の解決と持続可能な地球の豊かさへの貢献を目指している。
完全子会社のファームノートでは、クラウド牛群管理システム「Farmnote Cloud」、「Internet of Animals(※)」を実現する牛向けウェアラブルデバイス「Farmnote Color」、乳牛の遺伝子情報(ゲノム)を解析、育種改良におけるゲノムの実践的活用を目的とした「Farmnote Gene」などの提供を通じて、酪農産業のデジタル化(酪農DX)を推進してきた。
また、完全子会社である自社牧場「ファームノートデーリィプラットフォーム」では、酪農DXの実践牧場として、牛舎設計やロボット搾乳といったリアル技術とFarmnote製品のデジタル技術を統合し、牛と人が快適に働ける牧場づくりを通じて持続可能な酪農経営を実現している。
明治ホールディングスは「明治グループサステナビリティ2026ビジョン」において、「こころとからだの健康に貢献」「環境との調和」「豊かな社会づくり」の3つのテーマとともに、共通テーマ「持続可能な調達活動」を掲げている。持続可能な酪農業の推進を目指し、グループが有する様々なアセットを通じた酪農家への支援活動や温室効果ガス(GHG)削減など、サステナブル酪農の取り組みを進めている。
酪農を取り巻く環境で解決すべき課題のひとつとして、乳牛の呼気メタンやふん尿処理中に発生するGHG削減が挙げられる。2020年10月、政府は2050年までにGHGの排出を全体としてゼロにする「カーボンニュートラル」を目指すことを宣言した。農林水産業全体の約12%を占め(2020年時点)、酪農分野もいかに削減するかが求められている。
今回の資本業務提携により、持続可能な社会に向けて、酪農分野において両社の知見を活かし、GHG削減に取り組んでいくという。具体的には、牛個体のGHG排出量をリアルに測定、変化を分析できるソリューションを開発する。さらに同社が培った生産業界におけるDXソリューションやグループ牧場のアセットを活用し、両社で持続可能な酪農産業へ貢献していくとしている。
(※)クラウド牛群管理システム「Farmnote Cloud」、「Internet of Animals=経済動物をセンサーでインターネットにつなぎ、人の目を介さずに人工知能により動物の状態を検知し、最適な飼養管理を実現する技術。ファームノートが提唱。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)