■中国経済に消費不振の影との報道もあり「爆買い」には疑問符も
ラオックス<8202>(東証スタンダード)は8月10日、取引開始後に12%高の280円(29円高)まで上げて続伸一段高となったものの、伸びきれないまま売買交錯に転じて前引けは6%高の267円(16円高)となった。後場も268円で売買を開始。戻り高値を更新したが、上値の重い相場になっている。
9日、「中国人の日本への団体旅行、解禁の可能性」(日テレNEWS8月9日1:15)と伝えられて注目が強まり、10日になると「きょうにも、日本に伝達」(日本経済新聞8月10日付朝刊)とされて買い先行で始まったが、先に解禁されたタイ、シンガポールでは中国からの観光客がコロナ前を回復していないとの報道もあり、一段と上値を買い進むには戸惑いもあるようだった。
中国経済については、「深まるデフレ懸念、7月物価0.3%下落(中略)車やスマホ、耐久財の販売不振」(日本経済新聞8月10日付朝刊)との報道もあり、観光旅行に消費するおカネも節約の対象になる可能性が言われている。となると、以前のような「爆買い」は沈静化する可能性もあ得るところ。株式市場関係者の中には、「フタをあけてみないとわからない」と醒めた目で見る向きもある。
もっとも、観光関連株は活況で、日本航空<9201>(東証プライム)、三越伊勢丹ホールディングス<3099>(東証プライム)、JR西日本(日本旅客鉄道)<9021>(東証プライム)、KNT-CTホールディングス<9726>(東証スタンダード)、ABホテル<6565>(東証スタンダード)、和心<9271>(東証グロース)など軒並み高い。醒めた目で構える株式市場関係者も、内実は少しでも安く投資したいために慎重論を流布する「買いたい弱気」の可能性があるとの受け止め方も出ている。(HC)(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)