マーチャント・バンカーズは23年10月期(決算期変更)予想を上方修正
- 2023/8/14 10:52
- 決算発表記事情報
(決算速報)
マーチャント・バンカーズ<3121>(東証スタンダード)は8月10日の取引時間終了後に23年10月期(決算期変更)第1四半期連結業績を発表した。マーチャント・バンキング事業における賃貸用不動産取得費用の計上で赤字だが、通期予想を上方修正した。マーチャント・バンキング事業において第1四半期に取得した賃貸用不動産4物件の賃貸収入が第2四半期から寄与することに加えて、投資先が米国ナスダック市場に上場したことに伴い第2四半期に投資有価証券売却益を計上する見込みだ。マーチャント・バンキング事業が牽引し、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は安値圏でのモミ合いから上放れの動きを強めている。上方修正を好感して上値を試す展開を期待したい。
■23年10月期(決算期変更)1Q赤字だが通期予想を上方修正
23年10月期(決算期変更に伴う経過期間で4月~10月の7ヶ月決算)第1四半期連結業績は、売上高が前年同期比3.1%減の3億01百万円、営業利益が62百万円の損失(前年同期は25百万円の損失)、経常利益が86百万円の損失(同37百万円の損失)、親会社株主帰属四半期純利益が82百万円の損失(同40百万円の損失)だった。マーチャント・バンキング事業において賃貸用不動産取得費用93百万円を計上したため赤字だった。
マーチャント・バンキング事業は売上高が65.3%増の2億55百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が46.5%減の16百万円だった。前年度に取得した賃貸用不動産からの家賃収入などで大幅増収だが、第1四半期に取得した賃貸用不動産4物件の取得費用を計上したため大幅減益だった。
オペレーション事業は売上高が70.7%減の45百万円、利益が1百万円の損失(前年同期は15百万円の損失)だった。23年5月にインターネットカフェ店舗の運営が終了したため減収だが、赤字縮小した。
第1四半期は赤字だったが、通期連結業績予想は8月10日付で上方修正して売上高が15億50百万円、営業利益が2億90百万円、経常利益が1億70百万円、親会社株主帰属当期純利益が3億40百万円とした。配当予想は据え置いて復配の1円(期末一括)としている。
前回予想(決算期変更に伴って23年7月21日付で公表、売上高15億円、営業利益2億50百万円、経常利益1億70百万円、親会社株主帰属当期純利益1億15百万円、配当1円)に対して、経常利益を据え置いたが、売上高を50百万円、営業利益を40百万円、親会社株主帰属当期純利益を2億25百万円それぞれ上方修正した。
マーチャント・バンキング事業において、第1四半期に取得した賃貸用不動産4物件の賃貸収入が第2四半期から寄与することに加えて、第2四半期に2物件の売却を見込んでいる。また、投資先のアーリーワークス社が米国ナスダック市場に上場(23年7月25日付)したことに伴い、第2四半期の特別利益に投資有価証券売却益2億28百万円を計上する見込みだ。マーチャント・バンキング事業が牽引し、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。
■株価はモミ合い上放れの動き
株価は安値圏でのモミ合いから上放れの動きを強めている。上方修正を好感して上値を試す展開を期待したい。8月10日の終値は301円、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS134円50銭で算出)は約2.2倍、そして時価総額は約89億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)