クレハは車載用LiB向け需要の拡大を受けてフッ化ビニリデン樹脂(PVDF)の生産能力を倍増へ
- 2023/8/23 08:31
- プレスリリース
■700億円を投じて年産8000トンに
クレハ<4023>(東証プライム)は22日、同社いわき事業所(福島県いわき市)において、フッ化ビニリデン樹脂(PVDF)の生産設備を増強することを決定したと発表。
PVDFはリチウムイオン二次電池(LiB)用バインダーと一般産業用エンジニアリング・プラスチックとして使用されているが、近年では各国の環境保護意識の高まりなどにより、車載用LiB向け需要の拡大が続いいる。
同社グループでは、同社いわき事業所(年産6000トン)と中国子会社(年産5000トン)に生産設備を有しているが、顧客からのさらなる供給拡大の要請に応え、同社最大の事業と位置づけるPVDF事業のさらなる拡大を図るため、環境負荷低減技術も含めた、過去最大の投資規模となる生産設備の増強を行う。
■新規生産設備の内容
・所在地:福島県いわき市錦町落合16
・取得資産:生産設備及び建屋
・完工予定:2026年3月
・増強規模:年産8000トン
・投資総額:約700億円
同社グループでは、新中長期経営計画「未来創造への挑戦」において、機能製品セグメントの事業拡大を中心とし、とりわけPVDF事業の将来性に期待した成長シナリオを描いている。新規生産設備稼働までの間は、既存生産設備の生産能力拡大、新グレードの開発、グローバルでの最適な供給体制構築の検討などにより、収益向上策を実施していく。
経済産業省による「蓄電池の国内生産基盤確保のための先端生産技術・開発促進事業の採択事業への助成金」と「経済安全保障法に基づく認定供給確保計画(蓄電池)の認定供給確保計画への助成金」に対する同社申請は、いずれも経済産業省に採択されている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)