【Newsで一枚】PALTEKの高橋忠仁会長
- 2014/12/15 17:03
- Newsで一枚
■半導体事業を基盤事業に医療・放送の成長産業、スマートエネルギー事業の新規事業に展開
PALTEK<7587>(JQ・売買単位100株)の高橋忠仁会長は、このほど日本インタビュ新聞社主催の個人投資家向けIRセミナーで、『電子機器産業の3つの変化と対応する事業戦略』と題して講演した(写真)。場所は東洋経済新報社ホール。
鹿児島県屋久島出身の高橋会長が1982年(昭和57年)に電子部品の販売を目的に横浜市でPALTEKを設立。少量多品種生産に対応できる半導体が必要と考えた高橋会長は、アメリカのベンチャー企業が発明した半導体「PLD」(プログラム再書き換えが可能な半導体)を発見し販売権を得てPALTEKは成長の足がかりをつかんだ。この半導体は会長の考える、「集団ではなく個」、「均一ではなく多様」、「量ではなく質」というコンセプトを実現する製品だったという。
1995年から業績は急拡大に向かった。放送機器や電話交換機がデジタル化された時期であり、同社が考えていた付加価値の高い少量多品種向けの製品だった。業績拡大を受け1998年7月に株式を公開した。
地球環境改善が急がれる今日、「環境技術、省エネ技術やノウハウは日本が世界のトップクラスのシーズ(事業の種)は日本にあると考え」、2010年4月にスーマートグリッド推進部(現在のスマートエネルギー事業部)を立ち上げ、2012年3月に社長から会長に就任し会長職と兼任でスマートエネルギー事業部担当役員として事業の立ち上げに奔走している。
電子機器産業の3つの変化とは、「民生機器から産業機器へ」、「海外生産の加速、開発は引き続き国内」、「地球温暖化・災害への備え・少子高齢化」。
事業は「基盤事業」、「成長事業」、「新規事業」の3つ。基盤事業の「半導体事業」はシリコンバレーなどアメリカ、イスラエル、オランダなどの技術的に特徴のある外国製半導体を強い技術サポート力を武器に販売する。成長事業の「デザインサービス事業」は医療機器や放送機器などの産業機器、通信機器などの設計開発を受託のほか自社製品の開発も手掛ける。
新規事業の「スマートエネルギー事業」は病院・介護施設向けの停電対策システムを販売している。
株式マーケットが注目する自社製品では、「4K対応のH.265コーデック装置」、フジテレビと共同開発の「小型ライブ中継伝送装置」などがある。
2014年12月期は売上33.4%増の235億円、営業利益は従来予想の6億4000万円(17.2%減益)を7億8000万円(前期比0.9%増益)へ上方修正、1株利益も従来の34.1円を41.1円へ上方修正した。配当は年8円の予定。
株価は年初来高値が898円(1月23日)、安値は421円(5月20日)で直近値は518円(12月15日)。利回り1.54%、PER12.6倍と割安。期末一括の配当がついているので配当取りで中期投資がよいだろう。