【注目銘柄】コーユーレンティアは年初来高値に肉薄、市場予想上回る2Q好業績を見直し割安修正

■高利益進捗率で市場予想を上回る

 コーユーレンティア<7081>(東証スタンダード)は、前日31日に11円高の1863円と反発して引け、後場取引時間中には1871円と買われる場面があり、8月2日につけた年初来高値1879円に肉薄した。今年8月10日に発表した今2023年12月期第2四半期(2023年1月~12月期、2Q)累計業績が、12月期通期予想業績に対して高利益進捗率を示して市場コンセンサスを上回ったことを見直し割安修正買いが再燃した。8月28日に発表したセキュア<4264>(東証グロース)との監視カメラシステムや入退室管理システムなどでの戦略的業務提携や、同8月30日に発表した業界初の建設現場向けの「防災備蓄品レンタルサービス」の開始なども、業容拡大・多様化を促進するとして側面支援材料視されている。

■レンタル事業が建設現場向け、イベント会場向けに好調に推移

 同社の2Q累計業績は、売り上げ147億1900万円(前年同期比14.7%増)、営業利益14億4200万円(同5.5%増)、経常利益14億6100万円(同7.2%増)、純利益8億7300万円(同19.9%増)と続伸した。主力のレンタル事業では、都市部に加えて地方圏でも再開発が拡大していることを背景に建設現場向けが好調に推移し、イベント会場向けでも、スポーツイベントや大型フェスの開催件数・会場規模がコロナ前の水準を回復し業績を牽引したことなどが要因となった。2Q累計業績の今12月期通期予想業績に対する利益進捗率は、59%~60%と目安の50%を上回った。市場コンセンサスに対しても利益が、4100万円~7300万円オーバーした。

 今12月期通期業績は、期初予想を据え置き売り上げ277億円(前期比5.8%増)、営業利益24億円(同1.3%減)、経常利益24億円(同0.9%減)、純利益14億7000万円(同17.7%増)と見込み、配当は、年間50円(前期実績45円)へ連続増配を予定している。なおセキュアとの業務提携は、セキュアの監視カメラシステム、入退室管理システムとコーエーレンティアのネットワーク設置工事、サポート工事を融合させ全国1000カ所を数える建設現場、事務所へのWEB会議コミュニケーションソリューションなどを提供し、残業時間の規制強化で人手不足が深刻化する建設業界の「2024年問題」にも対応する。また防災備蓄品レンタルサービスは、東急建設<1720>(東証プライム)の首都圏10カ所の作業所に9月から納品予定で、いずれも業績押し上げ材料への期待を強めている。

■IPO時の公開価格に並びPER6倍の修正で新規公開人気の再現も有力

 株価は、前期配当の権利落ち後の年初来安値1460円から下げ過ぎ修正で底上げし、今期第1四半期の増収増益業績に反応して年初来高値1879円へ買い進まれ、第2四半期の高利益進捗率業績の開示では利益確定売りも交錯して1800円台を固める動きを続けてきた。ヒストリカル的にもこの株価水準は、同社株が2020年2月に新規株式公開(IPO)された際の公開価格1890円と同水準で、直後に上場来高値2625円まで買い進まれた起点となっている。足元の株価は、PER6.8倍、PBR1.20倍、配当利回り2.68%と割安であり、IPO人気の再現も有力となる。まず2021年10月の戻り高値1995円が当面の上値ターゲットとなるが、初値の2510円へのキャッチアップ、最高値奪回へと進もう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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