パスの子会社アルヌールは名古屋大学と希少成分であるフコキサンチン抽出後の藻類バイオマスからバイオ燃料の精製に成功

■バイオ燃料生産新時代へ

 パス<3840>(東証スタンダード)の連結子会社であるアルヌールは4日、国立大学法人東海国立大学機構名古屋大学大学院工学研究科神田英輝助教と、アルヌールで製造した藻類バイオマスよりフコキサンチン抽出後に得られる脂質から、バイオ燃料を精製する事に成功したと発表。

 アルヌールでは、2020年11月設立以来自社のR&Dセンターにおいて自社開発によるLEDを使用したオリジナルの屋内型微細藻類培養装置により、微細藻類の安定した「屋内連続培養」と有用成分である「フコキサンチン」の抽出を行っている。

 アルヌールでは以前より、地球温暖化に影響を与える化石燃料の代替エネルギーとして世界的な注目を集めながらも、藻類バイオマスからのバイオ燃料が普及しない原因として、次の二つを主な要因と考えていた。

(1)屋外・屋内を問わず、藻類単体による大量培養は技術的に大変困難であること。
(2)バイオ燃料を生産するために藻類培養を行っていては決して採算ラインが見えてこないこと。

 藻類バイオマスは、課題である大量培養が革新的な技術改良により解決できれば、あらゆる藻類がカスケード利用(多段階利用:一種類の藻類バイオマス生産から、CO2削減・多種類の希少成分抽出・残渣活用)が可能であり、脂質以外の活用で収益が得られれば、脂質自体は生産コストゼロの産業廃棄物と捉えることができ、結果的に採算の取れるバイオ燃料生産も実現可能と思われる。

 またアルヌールでは、屋内においてLEDによる人工光利用であることから、ロケーションを一切選ばず且つ低面積で済み、それ故にCO2の発生現場の隣接地でダイレクトにCO2削減が可能であるだけでなく、最終的に脂質から得られたバイオ燃料を地産地消していくことも出来るため、全世界あらゆる地域での展開が可能となる。同社ではこのスキームを藻類によるバイオ燃料生産を唯一成功させるスキームと捉え、今後更なる開発を進め、カーボンニュートラルの実現に貢献していくとしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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