【編集長の視点】翻訳センターはもみ合いも連続最高純益・増配を見直しインバウンド関連人気も再燃方向

編集長の視点

翻訳センター<2483>(JQS)は、25円高4115円と続伸して始まったあと、70円安と下ぶれるなど前日3日終値を挟んでもみ合っている。8月25日につけた年初来安値3330円からの底上げし、目先の利益を確定する売り物が交錯しているが、下値には今3月期純利益が連続した過去最高を更新し、配当も連続増配を予想していることを見直し、下げ過ぎ訂正買いが続いている。また同社株は、インバウンド(外国人観光客)消費の関連株の一角に位置し、同関連株は、中国景気の減速懸念で波乱展開となったが、一部持ち直しの動きも強めていることから、9月16日に日本政府観光庁が、発表を予定している8月の訪日外客数推定値に思惑を高め先取りの買い物も加わっている。

■医薬分野の新薬申請資料の翻訳事業などが好調に推移し創立30周年の記念配当もオン

同社の今3月期業績は、売り上げ95億円(前期比3.3%増)、経常利益5億5000万円(同9.4%増)、純利益3億2000万円(同13.0%増)と続伸が予想され、純利益は、前期の過去最高を連続更新する。翻訳事業では、医薬分野で、新薬申請資料の翻訳など国内製薬会社からの受注が好調に推移し、金融・法務分野でも、法律事務所からの安定した受注や招集通知、IR関連資料の受注が拡大、派遣事業でも、語学スキルの高い人材を派遣する事業で情報通信関連企業、飲食関連企業、銀行・保険などの金融関連企業からの受注が堅調で、通訳事業も、IR関連の通訳や医薬品関連企業向けに受注増が続いていることなどが要因となる。配当は、創立30周年の記念配当5円を上乗せし、年間53円(前期実績48円)に連続増配する。

なお、今年8月10日に発表した今3月期第1四半期(1Q)業績は、コンベンション事業で、今年5月に福島県で開催された「第7回太平洋・島サミット」などの国際会議案件の受注なども加わって営業利益が前年同期比3.2倍、経常利益が同3.0倍と大幅増益転換した。

一方、インバウンド関連事業では、同社は、子会社で「電話通訳オペレーター養成講座」の教育事業や、ブイキューブ<3681>(東1)の子会社と多言語通訳サービス「VーCUBEトランスレーダー」を展開するなど関連度が高く、株価は、今年7月の日本政府観光庁の6月推定値発表時にはストップ高した。来年5月開催の伊勢志摩G7サミットも加わり、業績期待を高めよう。

■急落幅の3分の1戻しまでリバウンドも25日線から7%超の下方かい離となお下げ過ぎ

株価は、6月の訪日外客数推定値発表を受けストップ高してつけた年初来高値5600円から、今期1Q好決算や7月の訪日外客数の連続過去最高などにもかかわらず、世界同時株安の波及で同安値3330円まで突っ込み、この下落幅の3分の1戻し水準までリバウンドした。25日移動平均線からはなお7.4%のマイナスかい離と下げ過ぎを示唆しており、一段の戻りを試そう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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