ネオジャパンは24年1月期2Q累計小幅営業・経常減益だが高進捗、通期上振れ余地
- 2023/9/14 09:19
- 決算発表記事情報
(決算速報)
ネオジャパン<3921>(東証プライム)は9月13日の取引時間終了後に24年1月期第2四半期累計連結業績を発表した。クラウドサービスが堅調に推移して増収だが、広告宣伝費の増加で小幅営業・経常減益だった。そして通期の減益予想を据え置いた。第2四半期累計の進捗率は高水準だったが、TVCMなどの広告宣伝投資を下期に実施する計画としている。ただしクラウドサービスの好調やストック売上の拡大などで、通期会社予想に上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調を期待したい。株価は3月の安値圏から徐々に下値を切り上げている。目先的には通期減益予想据え置きを嫌気する動きが優勢になる可能性もあるが、下値限定的だろう。
■24年1月期2Q累計小幅営業・経常減益、通期予想は上振れ余地
24年1月期第2四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比9.8%増の32億24百万円、営業利益が1.3%減の6億02百万円、経常利益が5.8%減の6億47百万円、親会社株主帰属四半期純利益が4.1%増の4億81百万円だった。クラウドサービスが堅調に推移して増収だが、広告宣伝費の増加で小幅営業・経常減益だった。
ソフトウェア事業(クラウドサービス、プロダクト、技術開発の合計)は売上高が9.5%増の22億44百万円、セグメント利益(調整前営業利益)が11.6%減の5億62百万円だった。
クラウドサービスの売上高は10.5%増の14億46百万円で、内訳はグループウェアdesknet‘s NEOクラウドが10.1%増の12億02百万円、ノーコード業務アプリ作成ツールAppSuiteクラウドが31.4%増の82百万円、ビジネスチャットChatLuckクラウドが3.7%増の35百万円、その他月額売上が2.2%増の1億円、その他役務作業等が19.2%増の25百万円だった。
プロダクトの売上高は8.4%増の7億63百万円だった。内訳はライセンス売上合計が14.8%増の2億03百万円、サポートサービスが5.4%増の4億15百万円、カスタマイズが102.9%増の69百万円、その他役務作業等が23.9%減の74百万円だった。技術開発は積極的な受注活動を行っていないため、売上高は7.8%減の35百万円だった。
システム開発サービス事業(子会社Pro-SPIRE)は、売上高が11.2%増の9億92百万円、セグメント利益が58.0%増の28百万円だった。主要顧客の体制縮小の影響で減収傾向が続いていたが、前期第4四半期から回復傾向となっている。海外事業は売上高が68百万円(前年同期は5百万円)となり、セグメント利益は7百万円の黒字(同43百万円の損失)に転換した。
四半期別に見ると、第1四半期は売上高16億45百万円で営業利益3億93百万円、第2四半期は売上高15億79百万円で営業利益2億09百万円だった。
通期連結業績予想は据え置いて、売上高が23年1月期比5.9%増の63億59百万円、営業利益が24.4%減の9億37百万円、経常利益が28.8%減の9億51百万円、そして親会社株主帰属当期純利益が22.6%減の6億29百万円としている。配当予想は23年1月期比3円増配の23円(期末一括)としている。株主優待制度廃止に伴う株主優待制度のコスト見合い1円50銭に、1円50銭を加えて合計3円増配としている。なお23年1月期の20円には創立30周年記念配当1円が含まれているため、普通配当ベースでは4円増配となる。予想配当性向は54.5%となる。
売上面はクラウドサービスが牽引して増収だが、利益面は認知度向上に向けてTVCMなどの広告宣伝投資を継続するため広告宣伝費が増加することに加えて、従来以上の賃上げに伴う人件費増加なども影響して減益予想としている。
なお第2四半期の進捗率は売上高51%、営業利益64%、経常利益68%、親会社株主帰属当期純利益76%と高水準だが、TVCMなどの広告宣伝投資を下期に実施する計画(広告宣伝費の通期計画は前期比約3億30百万円増加の約7億30百万円で、上期実績は同1億74百万円増加の3億20百万円)としている。ただしクラウドサービスの好調やストック売上の拡大などで、通期会社予想に上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調を期待したい。
■株価は下値切り上げ
株価は3月の安値圏から徐々に下値を切り上げている。目先的には通期減益予想据え置きを嫌気する動きが優勢になる可能性もあるが、下値限定的だろう。9月13日の終値は1073円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS42円20銭で算出)は約25倍、今期予想配当利回り(会社予想の23円で算出)は約2.1%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS383円36銭で算出)は約2.8倍、そして時価総額は約160億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)