■膵臓がん治療に向けて新たな一歩
キャンバス<4575>(東証グロース)は14日、同社が研究を進めている次世代開発パイプライン候補化合物CBT005について、⽇本⼤学医学部総合医学研究所(東京都板橋区)との研究連携を開始すると発表。
この研究連携について同社は、CBT005を前臨床試験へ進めるための準備のひとつと位置づけている。
まず、膵臓がんを⾃然発症するモデルマウス※にCBT005と免疫チェックポイント阻害抗体などを併⽤投与して抗腫瘍効果を総合的に検討する委託研究を開始する。
※同社は東京⼤学医学部附属病院との間でも膵臓がん発症モデルマウスを⽤いた共同研究を実施しているが、今回のモデルマウスは遺伝⼦変異の⼀部が異なるものである。がん組織におけるがん細胞の遺伝⼦変異は多様であるといわれており、幅広いがんへの効果を総合的に検討できると期待している。
CBT005は、同社の基礎研究から創出された次世代開発パイプライン候補化合物である。
樹状細胞やマクロファージなどの貪⾷細胞(標的細胞を取り込み、得られた抗原を攻撃対象あるいは⾮攻撃対象としてリンパ球に提⽰する役割を持つ)の活性化を促し、⾃然免疫と獲得免疫を刺激することを期待している。
現在臨床試験を進めている最先⾏化合物CBP501を含む3剤併⽤投与にCBT005を加えて投与した社内動物実験において有望なデータが得られており、同社はこれを前臨床試験(ヒトを対象とする臨床試験の開始を申請するために必要なデータを取得する動物試験)へ進める候補のひとつとしている。
現時点では不確定要因が多いものの、同社の中⻑期的な研究開発の中軸のひとつとなり得るプロジェクトである。
この委託研究契約に基づき同社は、研究に使⽤する薬剤等の物品提供のほか、直接研究経費・管理経費を負
担する。
同件による当期業績への影響は軽微だが、同社の企業価値の源泉である開発パイプラインの拡充による中
⻑期的な企業価値の向上に寄与することが期待されるとしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)