建設技術研究所、全国の利水ダムの治水活用効果を地図化した「ダムの活用優先度マップ」を踏まえた技術サービスを開始

 建設技術研究所<9621>(東証プライム)は15日、現在治水効果が見込まれていない利水ダムを治水に活用した場合の効果を地図化した「ダムの活用優先度マップ」を作成したと発表。同マップは、利水ダムの治水活用の効果が高く、早期整備が必要な流域を示しており、これを用いた「流域治水対策としてのダム活用優先度の評価」等のサービスを開始した。

1.背景

 全国には治水機能を有していない利水ダム※が1800基以上整備されている。異常洪水時にこれらのダムを有効に活用すれば下流河川の被害を少なくすることができる。

 ダムは個々に貯水容量や放流機能といった特性が異なるため、異常洪水時に全ての利水ダムで治水機能を持たせるための操作を行うことは非効率であり、治水効果の高いダムから優先的に治水機能を持たせるような運用が求められている。(※利水ダム:発電ダム、農水ダムなど国土交通省所管以外のダム)

2.「ダムの活用優先度マップ」の作成

 「ダムの活用優先度マップ」とは、(1)全国の一級水系の流域ごとのダム貯留可能雨量、(2)各流域で発生可能性のある最大洪水の想定最大規模降雨の比率α(=(2)/(1))を評価指標として図化したものである。比率αが大きいほど、利水ダムの活用効果が大きい流域となる。

3.流域治水対策としてのダム活用優先度評価サービスの提供

 作成したダムの活用優先度マップを用いて、治水活用効果の高い利水ダムの選定や早期整備が求められる流域のランク付け等の技術サービス提供を開始する。具体のサービス例を以下に示する。

 (1)遊水地や水田貯留等の対策と利水ダムの治水活用を合わせた「流域治水対策の検討」
 (2)予測雨量を加味してダムの貯留可能量をリアルタイムに把握しダム機能の最大限の活用を図る「ダム操作運用の検討」

4.今後の展望

 今後、ダムの活用優先度マップに基づく技術サービスを提供していくことにより、利水ダムの活用をはじめとする流域治水対策の一層の推進に貢献していくとしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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