■ユーグレナの水溶性成分が腸内細菌叢を変化させて肺がんの予防と治療に効果
ユーグレナ<2931>(東証プライム)は22日、米国のカンザス州立大学との共同研究で、微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)粉末の水溶性成分が、腸内細菌叢から産生される短鎖脂肪酸によって肺がんの増殖を抑制する可能性を確認したと発表。今回の研究成果は、2023年8月30日に『Integrative Cancer Therapies』オンライン版に掲載された。
研究では、タバコ特異的発がん物質によって誘発した肺がんのマウスモデルを用いて、ユーグレナの水溶性成分の摂取が肺がんの腫瘍結節数を有意に減少させることを示した。また、ユーグレナの水溶性成分の摂取によって、糞便中の短鎖脂肪酸(酢酸、酪酸、プロピオン酸)濃度が有意に増加することも明らかにした。さらに、肺がん細胞に短鎖脂肪酸を添加すると、特に酪酸がアポトーシス(管理された細胞死)を誘導して、がん細胞の増殖を阻害することも確認した。
以上のことから、ユーグレナの水溶性成分は、腸内細菌叢から産生される短鎖脂肪酸が、がん細胞のアポトーシスを誘発していることによって、肺がんの増殖を抑制する可能性があることが示唆された。同社は、日頃の摂取による予防だけでなく、発症後でも効果が期待できる食品や医療分野での利活用を目指していくとしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)