リコーは空間データ作成・利活用AIソリューションの実証実験を開始、建物・設備の管理を効率化

■リコー独自の光学技術とAIを活用、既存設備を360度のバーチャル空間に再現しデジタル管理

 リコー<7752>(東証プライム)は25日、建設業や建物維持管理業に向けて、空間データ作成・利活用AIソリューションの実証実験を10月2日から開始すると発表。カメラやレーザースキャナーなど光学デバイスから取得した点群と、360度画像を自動的に位置合わせしてつなぎ、既存の建物の内部構造を3次元復元した上でバーチャル空間として再現する。Webブラウザやタブレット端末でも閲覧が可能となり、遠隔地の関係者とも即時に共有できる。また、建物に含まれている壁や床、椅子や机などの什器をAI技術により自動分類できることから、備品の台帳と紐づけることで効率的に建物の維持管理が行える。

 今回の実証実験では、有償でお客様の現場の撮影代行、データ処理、Webビューアーへのアップロード、備品台帳とデータの紐づけまでをワンストップでリコーが行う。まずは、建設現場における遠隔での情報共有や、建物維持管理業をはじめとした建物の現場に課題を抱える顧客に使用してもらうことで価値検証を行う。リコーが培ってきた光学技術やソフト・AI技術を通じて、建物を簡易にデジタル管理可能にし、建設・維持管理業務の変革を目指していく。

■背景

 建物の維持管理の現場では、既存の図面、写真、台帳などの断片的な情報をもとに、熟練者がデータ整備、分析、判断をしている。これらは暗黙知で、ノウハウや知識の継承が難しいものだった。また、現場の情報が不完全なことから、調査や共有の手間がかかっている。比較的新しい建築物は、BIM*に基づいた管理が行われているが、既にある建物をBIMとして扱えるようにするには大きな労力とコストがかかるのが現状である。建物をデジタルデータに変換し活用することで、熟練者に限らず、またその建物に立ち入ることなく空間を把握し適切に判断する、建物のデジタル管理が可能になる。

※BIM:Building Information Modelの略で、コンピューター上で現実と同じ3次元の立体モデルを再現し、建築設計の検討ができる仕組み。

■空間データ作成・利活用AIソリューションの特徴

1.データが不十分な建物でも、簡易に建物をデジタル化

 カメラやレーザースキャナーなど光学デバイスから取得した点群と360度画像を自動的に位置合わせしてつなぎ、あたかもその建物内に滞在しているかのようにバーチャルに見て回ることのできる3次元復元を行う。また、建物に含まれている壁・床・天井・ドア・機材などに自動分類(セグメンテーション)し、一部はCADで取り扱える3次元形状モデルを抽出(建具・設備モデリング)することも可能である。

 建物が通常稼働中でも、誰でも簡単に3次元情報が取得でき、3次元復元結果はWebブラウザやタブレット端末での閲覧や、遠隔地にいる関係者との共有が行える。また、この技術は、修繕や改修で変化する建物のデジタルデータの更新にも活用できる。

2.デジタル建物内の行動を学習し現場をサポートするAI技術

 AI技術の活用により、取得した点群・画像の統合、そこからの3次元CADモデルの生成、またデジタル建物の中でさまざまに行われる計測・計画・シミュレーションを支援する機能などを開発した。例えば、デジタル建物の上で熟練者がバーチャル計測調査した結果や、シミュレーションに基づいた大型機材の搬入計画は、それ自体のデータをAIに学習させることができる。結果、工事目的に応じた的確な計測支援や、周囲のリスクを考慮した精度の高い搬入ルートを、デジタル建物自身が提案できるようになる。このAI支援を使うことで、経験の浅い技術者であっても短時間で適切な判断ができるようになる。

■今後の展開

 上記技術に加えて、顧客にも使用できる1秒で全方位のカラー情報と距離情報を取得できる小型・軽量デバイスを開発中である。同デバイスの投入により、顧客自身での建物内部の情報のデジタル化をさらに効率化することが期待できる。また、多様な建物での同技術の価値検証活動を通してデータを収集し、新たな機能やサービスを継続的に創出していくとしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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