【銘柄診断】木徳神糧は業績再上方修正と再増配を見直して売られ過ぎを修正

 木徳神糧<2700>(東証スタンダード)は、前日5日に230円高の5370円と5営業日ぶりに急反発して引けた。前日までの4営業日間で500円超幅の下げとなっており、売られ過ぎとして突っ込み買いが入った。同社は、今年4月、9月と2回も今2023年12月期業績を上方修正し、純利益が連続過去最高を更新し、配当も同じく2回増配して連続増配幅を伸ばすことを見直し手掛かり材料となっている。

■期初の減益転換予想が連続過去最高更新に変わり連続増配幅も拡大

 同社の今12月期業績は、今年4月に上方修正され期初の減益転換予想が連続増益となったが、その修正業績を今年9月にさらに再上方修正した。売り上げは引き続き期初予想を据え置き1120億円(前期比7.0%増)としたが、営業利益と経常利益は4月修正値より各4億2000万円、純利益は2億5000万円それぞれ引き上げ、営業利益20億円(前期比51.9%増)、経常利益21億円(同53.1%増)、純利益13億5000万円(同92.8%増)と見込み、純利益は、前期に続き過去最高更新となる。新型コロナウイルス感染症による行動制限が緩和されて中食・外食向け需要が回復する好事業環境下、米穀の国内仕入れで機動的で独自の調達で競争優位性を高め、業態や用途などのニーズに合わせた販売を進め、令和4年産米の採算性が大きく向上し、構造改革によりコスト削減を強化したことなどが要因となった。

 今期配当は、期初に前期に実施した創業120周年の記念配当10円を落とし年間50円(前期実績60円)としていたが、今年4月の今期業績の1回目の上方修正とともに普通配当で年間60円に増配した。さらに9月の業績再上方修正とともに年間80円に再増配し、連続増配幅の拡大を予定している。

■高値からほぼ倍返しの調整が一巡しPERはわずか6倍、PBRは0.7倍

 株価は、期初の今期業績の減益転換予想が響いて年初来安値3820円と売られたが、巣ごもり需要と「アフターコロナ」の中食・外食需要の回復期待で下値を切り上げ6000円台に乗せ、今期業績の2回の上方修正、2回の増配が加わって年初来高値6170円まで690高した。足元ではこの高値から10月4日の取引時間中の安値4950円まで1380円安とほぼ倍返しの急落となった。PERは6.4倍、PBRは0.78倍と売られ過ぎを示唆しており、年初来高値奪回に再発進しよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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