マルマエは24年9月期減益予想だが下期回復基調

(決算速報)
 マルマエ<6264>(東証プライム)は10月6日の取引時間終了後に23年8月期業績(非連結)を発表した。半導体分野を中心とする市場環境悪化の影響を受けて減収減益だった。そして24年8月期も半導体を中心とする市場停滞長期化の影響により減益予想としている。ただし半期別に見ると、上期は厳しい状況が継続するものの、下期は回復基調に転じる見込みとしている。また中期経営計画については市場環境変化に伴い。最終年度を26年8月期(従来は25年8月期)に変更した。積極的な事業展開で下期からの収益回復を期待したい。株価は年初来安値圏でモミ合う形だ。目先的には24年8月期減益予想を嫌気する可能性もあるが下値限定的だろう。

■23年8月期減収減益、24年9月期も減益予想だが下期回復基調

 23年8月期の業績(非連結)は、売上高が22年8月期比20.0%減の68億68百万円、営業利益が63.6%減の8億59百万円、経常利益が66.7%減の7億89百万円、当期純利益が61.1%減の7億06百万円だった。配当は22年8月期比12円減配の36円(第2四半期末18円、期末18円)とした。配当性向は64.4%となる。

 半導体分野を中心とする市場環境悪化の影響を受けて減収減益だった。全社合計の受注高は43.8%減の51億67百万円(半導体分野が52.4%減の33億46百万円、FPD分野が47.9%減の7億61百万円、その他分野が51.3%増の10億59百万円だった。分野別売上高は半導体分野が29.0%減の45億34百万円、FPD分野が49.8%減の7億74百万円、その他分野が208.7%増の13億74百万円だった。

 半導体分野は市場環境悪化に伴う顧客在庫調整の影響により、第3四半期以降の受注・売上が急減した。FPD分野も市場停滞の影響で低調だった。その他分野は太陽電池製造装置部品の好調で大幅伸長した。利益面は売上減少と稼働率低下に加えて、減価償却費、受注損失引当金、棚卸評価損の増加も影響した。なお特別利益に鹿児島県と出水市からの補助金収入2億11百万円を計上した。

 四半期別にみると、第1四半期は売上高が24億87百万円で営業利益が6億68百万円、第2四半期は売上高が17億53百万円で営業利益が2億59百万円、第3四半期は売上高が11億41百万円で営業利益が1億56百万円の損失、第4四半期は売上高が14億87百万円で営業利益が88百万円だった。

 24年8月期の業績予想(非連結)は売上高が23年8月期比1.9%増の70億円、営業利益が20.9%減の6億80百万円、経常利益が28.8%減の5億62百万円、当期純利益が43.4%減の4億円としている。配当予想は23年8月期比6円減配の30円(第2四半期末10円、期末20円)としている。予想配当性向は94.8%となる。

 半導体を中心とする市場停滞長期化の影響により減益予想としている。分野別売上高の計画は半導体分野が13.8%減の39億09百万円、FPD分野が19.3%増の9億23百万円、その他分野が41.7%増の19億47百万円としている。半導体分野の在庫調整は、消耗品については不透明だが、製造装置向けについては解消の目途が付いたとしている。また開発品および転注評価用の試作品の受注が増加している。FPD分野ではOLED G6・G8向けの設備投資計画が増加している。その他分野では太陽電池製造装置部品の受注が活発である。

 なお半期別に見ると、上期(売上高24億円、営業利益82百万円の損失、経常利益1億60百万円の損失、四半期純利益1億13百万円の損失)は厳しい状況が継続するものの、下期(売上高46億円、営業利益7億92百万円、経常利益7億22百万円、四半期純利益5億13百万円)は回復基調に転じる見込みとしている。設備投資については増産投資を先送りし、開発投資と社員満足度向上投資を優先する方針としている。積極的な事業展開で下期からの収益回復を期待したい。

■株価は下値限定的

 株価は年初来安値圏でモミ合う形だ。目先的には24年8月期減益予想を嫌気する可能性もあるが下値限定的だろう。10月6日の終値は1642円、今期予想PER(会社予想のEPS31円64銭で算出)は約52倍、今期予想配当利回り(会社予想の30円で算出)は約1.8%、前期実績PBR(前期実績のBPS591円25銭で算出)は約2.8倍、そして時価総額は約214億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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