■6G時代の大容量高速通信を支える技術を開発
KDDI<9433>(東証プライム)、住友電気工業<5802>(東証プライム)、古河電気工業<5801>(東証プライム)、OFS Laboratories,LLC(本社:米国:OFS)の4社は20日、標準光ファイバー径の光ファイバー伝送実験では世界最大となる伝送帯域幅115.2THz(従来のC帯に比べて約24倍)の超広帯域伝送実験に成功したと発表。この技術は、6G時代に必要となるデータセンター間の大容量高速通信を実現するもの。
今回の実験では、標準的な光ファイバーと同じ250μmの太さの高密度非結合12コア光ファイバーと、広帯域なO帯光ファイバー増幅器(BDFA)を組み合わせた。高密度非結合12コア光ファイバーは、1本の光ファイバーに12個の独立したコアを配置したもので、コア間クロストークが低減されている。O帯光ファイバー増幅器は、C帯やL帯の約2倍の伝送帯域があるO帯を活用するために開発されたもので、コヒーレントDWDM伝送技術と組み合わせることで、高密度波長多重伝送が可能。
このようにして、伝送容量484Tbps、伝送距離31kmの大容量伝送実験を達成した。これは、標準光ファイバー径の光ファイバー伝送実験では世界最大となる。この技術は、6G時代にはるかに膨大で多様なデータがネットワークを流れることに対応できるだけでなく、より少ないファイバ心線数で同じ通信容量を確保できるため、省スペースで通常の管路や設備を活用できるというメリットがある。
今回の成果は、2023年10月1日~5日に開催された光通信技術に関する世界最大規模の国際学術会議ECOC2023(European Conference on Optical Communications)のポストデッドライン論文として報告された。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)